通訳あるあるネタ【第16回】

前回に引き続き、通常セミナーでご紹介している「査察時に必ず知っておくべき英語表現」の中で、今回は以下の3つのキーワードを解説したいと思います。
4)    Sample accountability log(検体使用記録)
5)    System Inventory(設備機器台帳)
6)    (設備・コンピュータシステムの)Periodic Review

1つずつ解説します。
4)    Sample accountability log(検体使用記録)
「出納帳」と訳すことが多いが、最初に聞いたのは病院の薬剤部だった。FDAのGCP査察で、治験薬を受領してから患者・被験者への払い出し、余った薬剤の回収、治験依頼者への返却・廃棄までを一枚のシートで管理する帳票を指していた。GMPにおいては、QCラボで受領した検体の総量、それぞれの試験で使用した分量、試験終了後の残量、廃棄の記録までを含めた出納帳の意味である。ポイントは、それぞれの試験で使用した分量と試験終了後の残量の和と、最初に受領した検体の総量との間に大きな差 (gap)がないこと。容器に検体が少し残る(完全に掻き出せない)ことは査察官も認識しているが、Gapがあまりに大きいとunauthorized retesting(試験担当者が許可なくやり直しを行うこと)を疑われる。Unauthorized retestingなどの不正を出納帳から早期に発見することが、Accountability logの目的である。

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