ドラッグリポジショニング/リプロファイリング(DR)における知財/特許の課題【第1回】

はじめに
 創薬の成功確率は極めて低く、医薬品の研究開発には長い時間と多大な費用を要しています。このため、製薬企業においては、新薬の開発速度、効率を上げるとともに、上市した医薬品の薬価を維持し、製品寿命を長く保つためにライフサイクルマネジメント(LCM)を行うことが経営の重要な柱となっています。また、LCMにあたっては、研究開発プロセスにおいて得られた成果としての知的財産、とりわけ特許の活用による事業の優位性確保が欠かせない戦略となっています。一方、最近、既に特定の疾患の治療に使用されている医薬品、あるいは、有効性が知られている薬物などの新たな薬理作用を追究することによって別の医薬品として再開発するドラッグリポジショニング/ドラッグリプロファイリング(以下、DR)への取り組みが、新薬の効率的な開発手段として行われつつあります1,2,3。DRにおいても、特許戦略は、それによって開発された医薬品の事業展開において不可欠であることに違いはありません。しかし、DRによって開発された医薬品は、通常の探索研究によって開発された医薬品の場合とは異なり、既存の特許や技術情報が大きく影響すると考えられます。本稿では、DRによって開発された医薬品の事業化や知的財産戦略(以下、知財戦略)の構築・遂行のツールとなる特許の基本的な特徴や知財戦略上の留意事項についてお話しします。
 なお、製薬産業における知財戦略については、本サイトの「医薬品製造事業関連の知財戦略」(全13回)に掲載されていますのでご参照下さい。

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