ドラッグリポジショニング/リプロファイリング(DR)における知財/特許の課題【第3回】
5.医薬品の承認申請への関わり方
医薬品の製造販売承認にあたっては、申請区分ごとに提出資料に基づいて承認審査が行われます1 。医療用医薬品の申請区分は10区分ありますが、既存医薬品のDRによって新たな効能・効果を有する医薬品として再開発された医薬品は、先行する既存医薬品と有効成分が同一、かつ、効能・効果は異なることになります。そこで、新医薬品として承認申請を行う場合、その申請区分は、通常、有効成分が異なる新有効成分含有医薬品、新たな効能・効果とは結びつかない新剤形医薬品および薬学的なプロファイルが既承認医薬品と同じであるバイオ後続品、剤形追加、類似処方配合剤、後発医薬品等を除く、申請区分(3)新投与経路医薬品、(4)新効能医薬品、(6)新用量医薬品または(2)新医療用配合剤のいずれかによるものと考えられます(表5を参照)。
承認申請にあたって必要になる添付資料等から、必要な主な技術は、申請区分によって違いはありますが、概ね、製造方法、規格試験、安定性、効力(薬理作用)、副作用、吸収・分布・代謝・排泄(ADME)、毒性、臨床試験および配合成分(医療用配合剤の場合のみ)であり(表6を参照)、DR開発に伴う特許取得においては、これらの項目に関わる試験・研究が実施され、その結果が特許の対象となるものと考えられます。特許を取得することの意義の1つは、特許の対象となっている技術を占有することによって製品や事業を保護することにあります。従って、特許を取得する対象とする技術としては、保護したい製品の製造や販売にとって必要な技術、できれば必須の技術であることが望ましいと考えられるからです。
なお、申請区分(6)新用量医薬品は、同一有効成分の既承認医薬品(先行医薬品)の効能・効果と類似の効能・効果あるいはその一部を欠く効能・効果を示す医薬品の承認申請を想定した区分であるとも考えられますが、DRにおいては用量の変更によって新たな薬理作用を発現させることも考えられますので、用量変更に係る技術は、特許取得の対象となる技術となることも少なくないと思われます。また、「既承認医薬品と効能・効果が同一である」とする点で、DRによって再開発された医薬品の承認申請は申請区分(5)新剤形医薬品には該当しないと考えられますが、剤形に係る技術がDRに関与しない訳ではありません。新たな効能・効果の発現のための技術として、剤形の変更あるいは新剤形の開発などの技術開発を伴う場合も少なくありません。DR開発における特許の対象となり得る技術を概観する上で、本稿では、(5)新剤形医薬品および(6)新用量医薬品についても併せて記載しました。
以上の状況から、DRによって開発された医薬品の事業化にあたっては、その医薬品の効能・効果および臨床応用に関連する用途発明が最も重要であり、その他、承認申請にあたって必要となる製造方法、物性、製剤、安全性などに関連する技術についても特許取得が検討されることになります。一方、有効成分に係る発明は、通常、DRにおける特許取得の対象とはならないものと考えられますが、他薬との組み合わせによる配合剤の場合、有効成分の物性や製造方法の変更が関与する場合など、技術の変更を伴う場合には、変更した技術について特記取得の可否あるいは要否が検討されることになります。
医薬品の製造販売承認にあたっては、申請区分ごとに提出資料に基づいて承認審査が行われます1 。医療用医薬品の申請区分は10区分ありますが、既存医薬品のDRによって新たな効能・効果を有する医薬品として再開発された医薬品は、先行する既存医薬品と有効成分が同一、かつ、効能・効果は異なることになります。そこで、新医薬品として承認申請を行う場合、その申請区分は、通常、有効成分が異なる新有効成分含有医薬品、新たな効能・効果とは結びつかない新剤形医薬品および薬学的なプロファイルが既承認医薬品と同じであるバイオ後続品、剤形追加、類似処方配合剤、後発医薬品等を除く、申請区分(3)新投与経路医薬品、(4)新効能医薬品、(6)新用量医薬品または(2)新医療用配合剤のいずれかによるものと考えられます(表5を参照)。
承認申請にあたって必要になる添付資料等から、必要な主な技術は、申請区分によって違いはありますが、概ね、製造方法、規格試験、安定性、効力(薬理作用)、副作用、吸収・分布・代謝・排泄(ADME)、毒性、臨床試験および配合成分(医療用配合剤の場合のみ)であり(表6を参照)、DR開発に伴う特許取得においては、これらの項目に関わる試験・研究が実施され、その結果が特許の対象となるものと考えられます。特許を取得することの意義の1つは、特許の対象となっている技術を占有することによって製品や事業を保護することにあります。従って、特許を取得する対象とする技術としては、保護したい製品の製造や販売にとって必要な技術、できれば必須の技術であることが望ましいと考えられるからです。
なお、申請区分(6)新用量医薬品は、同一有効成分の既承認医薬品(先行医薬品)の効能・効果と類似の効能・効果あるいはその一部を欠く効能・効果を示す医薬品の承認申請を想定した区分であるとも考えられますが、DRにおいては用量の変更によって新たな薬理作用を発現させることも考えられますので、用量変更に係る技術は、特許取得の対象となる技術となることも少なくないと思われます。また、「既承認医薬品と効能・効果が同一である」とする点で、DRによって再開発された医薬品の承認申請は申請区分(5)新剤形医薬品には該当しないと考えられますが、剤形に係る技術がDRに関与しない訳ではありません。新たな効能・効果の発現のための技術として、剤形の変更あるいは新剤形の開発などの技術開発を伴う場合も少なくありません。DR開発における特許の対象となり得る技術を概観する上で、本稿では、(5)新剤形医薬品および(6)新用量医薬品についても併せて記載しました。
以上の状況から、DRによって開発された医薬品の事業化にあたっては、その医薬品の効能・効果および臨床応用に関連する用途発明が最も重要であり、その他、承認申請にあたって必要となる製造方法、物性、製剤、安全性などに関連する技術についても特許取得が検討されることになります。一方、有効成分に係る発明は、通常、DRにおける特許取得の対象とはならないものと考えられますが、他薬との組み合わせによる配合剤の場合、有効成分の物性や製造方法の変更が関与する場合など、技術の変更を伴う場合には、変更した技術について特記取得の可否あるいは要否が検討されることになります。
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