現場管理者・監督者へのメッセージ(GMPの3原則から)【第13回】

2015/06/08 品質システム

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10.3.システム(3)構造設備:
10.3.1.構造設備基準

 GMP省令、GMP施行通知(改正)、薬局等構造設備規則、PIC/S-GMPガイド、その他指針などに準拠し、自社製造所の構造設備などの設計基準や施工要領などを"構造設備基準"として定めておく。(第8回の第6項、および第9回の第6.5.項参照)
 たとえば、製品の特性(飛散しやすく過敏症のある製品、無菌製品、強い生理活性、微生物由来、他)に合った建物の構造(分離・独立)、作業室(床・壁・天井・ドアなどの設計・材質・施工方法、他)、空調設備/用役関連設備(設備要求仕様の詳細、機器取付け、ダクト、配管などの詳細な施工方法、他)、電気/計装(照明、配線、計測機器選定、設置方法、他)、製剤機器(基本仕様、材質、表面加工、搬送方法、他)などの詳細な社内基準を規定する。まさに社内版の構造設備に関する"カタログ帳/ガイドブック(手引書)"である。実際にはエンジニアリング部門が中心となって編集されたものを品質部門が承認する形になるが、品質部門が制定するという位置付けが望ましい。
 各製造所で構造設備を新設/更新する場合に、この"構造設備基準"に基づき目的とする用途に適った要求仕様を設計し施工する。
 エンジニアリング部門は当然ながらGMPハード関連の情報収集と構造設備基準への反映を適宜行うと共に、設備計画立案時には、建設会社や設備機器メーカーへの要求仕様の提示や検収、また建設工事進行中の施工チェック、進捗管理などを行う。製造部門にとっては、エンジニアリング部門は頼もしい存在であるが全面的に依存するのではなく、製造部門の現場マネジャーや係長も、自職場に関連する"構造設備基準"について理解すると共に、構造設備図面についてもGMP管理の観点から自ら確認チェックできるだけの力量を持って欲しい。
 

10.3.2.保全管理システム
 対象設備機器リストを作成の上、設備機器毎に、日常点検、定期点検などの周期、保全点検項目や保全要領、エンジニアリング部門か製造部門かの実施分担、記録の保存などの取り決め計画的に運用する。

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執筆者について

小坂井 宏

経歴 1971年武田薬品工業(株)入社。製剤化技術検討や、国内工場の製造部門・品質管理部門で製造技術・バリデーション・GMP管理・FDA査察対応などの職務に従事。工場 製造部長・製剤部長、製薬本部 品質保証部長、武田アイルランド社長(海外工場)を歴任。2013年退職。
製造所のGMP管理(製造管理、品質管理、文書管理)の実践的対応、FDA査察の実践的対応を得意とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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コメント

鷲尾 智大 / 2025/03/28

GMP省令の対象となっている付帯設備機器類を自動走行出来るロボットで、点検業務(検針/環境測定)を任せた際に求められるのは、どういった点でしょうか。 また、規制やガイドラインなどの様な明示されたものあるのでしょうか。

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