現場管理者・監督者へのメッセージ(GMPの3原則から)【第12回】

"

第12回は、「組織・責任体制」について記載しているため、本稿の趣旨である「現場管理者・監督者へメッセージを送る」から、少し逸脱していますが、参考としてご一読頂けると幸いです。  

 


10.2.システム(2)組織・責任体制
10.2.1.組織体制の構築(管理者、各責任者の任命)

 ご承知のとおりであるが、参考までに、GQP省令(製造販売業者)およびGMP省令(製造業者)の組織体制を下表の通りまとめてみた。
(1)GQP省令(製造販売業者)の組織体制について

総括製造販売責任者は、品質保証責任者を監督するとともに、品質保証責任者の意見を尊重する。

品質保証責任者は、医薬品等の販売関連部門や"品質管理業務遂行に影響を及ぼす部門"から独立している。

・品質管理業務手順書等に基づき、下記業務に係る判定者/責任者を指定する。
 


(2)GMP省令(製造業者)の組織体制について

・製造所毎の医薬品製造管理者は、製造部門(責任者)と品質部門(責任者)を監督する。

品質部門は、製造部門から独立している。

手順書等に基づき、下記業務に係る判定者/責任者を指定する。
 

(※)出荷可否判定者は、当該業務を適正かつ円滑に遂行しうる能力を有する者(GMP省令12条2項)

 

<上記の責任者の他にも>
 バックアップ体制として製造管理副責任者、製造部門副責任者、品質部門副責任者などを指定する。
 また、製造責任者(製造各部門)、試験責任者/検体採取責任者(試験部門)、保管責任者(倉庫管理部門)、計測機器校正管理責任者などを指定するとともに、各責任者の業務内容および代行者について文書化しておく必要がある。
 

(3)変更管理/自己点検/教育訓練に関する"計画書"の報告
 上記の(2)GMP省令の組織体制では、変更管理/自己点検/教育訓練責任者は"計画"を品質部門に文書で報告するという記載が無い。筆者は、これらについても"計画"を品質部門に報告すべきであると考える。

変更管理については、実施検討に入る前に「実施計画案」を品質部門に提示して、変更の是非について製造販売業者を含めた社内関係部門(薬事/技術/品質/生産計画などの各部門)のコンセンサスを得る必要がある。検討内容によっては、"変更"を承認されない場合もあるためだ。

自己点検GMP省令に"定期的に自己点検を行う"と記載されているものの"計画書の報告"は記載されていない。責任者は年度初めに、年間計画(対象部門・機能/実施月/点検者/所要工数/予算など)を策定し品質部門に報告し承認を得るべきである。

教育訓練についても、GMP省令に"計画的に実施する"と記載されているものの"計画書の報告"は記載されていない。責任者は、年度初めに年間計画(教育訓練内容/対象部門/対象人数/担当講師/所要時間/社外教育/予算など)を策定し品質部門に報告し承認を得るべきである。年度途中で計画修正・追加があれば都度修正すれば良い。
 "計画の報告・承認"を推奨する意図は次のような理由からだ。
 "計画の承認"が無く"結果の報告"だけであれば、自己点検/教育訓練責任者の裁量で一部の予定を中止(削除)しても第3者のチェックがかからない。責任者の計画に対するコミットメントが重要である。計画を品質部門が承認することで、責任者の計画達成目標を明確にし、年度末には計画達成項目だけでなく未達項目とその理由も含め掌握できる。翌年度の活動計画策定時に、品質部門が前年度の逸脱情報や品質情報を踏まえた重点施策を反映させることができる、等々の理由からである。
 

(4)医薬品製造管理者
 製造所毎に薬剤師である医薬品製造管理者を置かなければならない。医薬品製造管理者は製造管理および品質管理に係る業務を統括し適正かつ円滑に実施できるように管理監督する「GMP管理の最終責任者」である。

(a)製造管理者は「工場長」、品質部門責任者は「品質部長」、製造部門責任者は「製造部長」という組織が理想的であり一般的であろう。

(b)工場長が薬剤師ではなく品質部門責任者が薬剤師の場合、品質部門責任者が製造管理者となるケースもある。

(c)一方、若い薬剤師しかいない製造所の場合、薬事法に従い、若い薬剤師を製造管理者とするケースも少なくないと聞いている。
 上記(a)が本来の姿であり、(b)でも順当な対応であるが、(c)はいささか不安になる。

 (c)の場合、「若い薬剤師=製造管理者=GMP管理の最終責任者」となるのだろうか。製造部門(責任者)と品質部門(責任者)を管理監督できるのだろうか。
 上記(b)(c)どちらのケースでも、結局のところ、製造所の経営責任者である工場長が、GMP管理についても最終責任をとるべき立場だと考える。もし工場でGMP管理面の重大問題が発生すれば、少なくとも会社内では工場長の責任となることは明白であり、社会的にも工場長(および社長)の責任になるだろう。しかし、法的には製造・品質管理業務についての最終的な権限と責任を有する"製造管理者"である若い薬剤師の責任となるのではないだろうか。
 現状では、薬事法やGMP省令で決められていることなので、議論を続けても仕方が無い。(c)の場合には、若い薬剤師(=製造管理者)および工場長とも、それぞれの立場・責任の重みを十分認識して、相互に尊重・協力しあってGMP管理を推し進めなければならない。また、当然ながら、若い薬剤師(=製造管理者)といっても、医薬品製造所での実務経験(5~10年程度)のある係長クラス以上であって欲しい。
 

 
"

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

キーワード検索

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます