品質マネジメントレビューについて考える(1)

2015/05/11 品質システム

蛭田 修

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はじめに

 ICH Q10が「医薬品品質システムに関するガイドラインについて」(平成22年2月19日、厚生労働省医薬食品局審査管理課長、及び監視指導・麻薬対策課長通知, 以下ICH Q10という)として発出されてから既に5年が経過した。GMPやGQP省令等と異なり抽象的な表現が多くみられることから、具体的な業務をイメージし難く、なかなか製薬企業内に定着していないというのが筆者の率直な印象であった。一方、最近の日本の調査当局のPIC/S加盟や、それに基づく施行通知やGMP事例集の改正等により、日本のGMPにおける要求レベルも徐々に変化しつつあり、製薬企業もグローバルなレベルでの規制対応を意識しはじめ、それに対応するようにICH Q10の品質マネジメントシステムも浸透しつつあるように感じている。
 GMP省令やGMP省令に基づく組織体制や業務プロセスも「品質システム」の一つと言えるが、その中に含まれる要素(変更や逸脱、教育訓練、自己点検など)を有機的に統合し、更にシステマチックな運用とトップマネジメントの参画によるトップダウンの考え方を示したものがICH Q10と考えることが出来る。
 本項では、特にICH Q10で特徴的と言える「品質マネジメントレビュー」について考えたい。

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執筆者について

蛭田 修

経歴 1980年筑波大学第二学群農林学類卒、明治製菓株式会社(現Meiji Seikaファルマ株式会社)入社。1997年博士(農学)。医薬品原薬製造プロセスの開発研究、品質保証、GMP監査、申請資料の信頼性保証に関する業務に従事。現在、Meiji Seikaファルマ株式会社 品質保証部長/品質保証責任者、東京医薬品工業協会品質委員会委員長、日本製薬団体連合会品質委員会副委員長。 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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