業界雑感 【2019年3月】

2019/04/05 その他

 OODA(ウーダ)ループというメソッドがあるという。同様のメソッドとしてはPDCAがあり、この二つのメソッドのプロセスを比較してみると、以下のようになる。



 PDCAのほうは医薬品業界では品質システムの中核的なメソッドとしてよく知られているのだが、OODAについては恥ずかしながら最近たまたまインターネット上で見つけて、こんなメソッドがあるのだ、と認識した次第である。OODAループとは、アメリカ合衆国の戦闘機操縦士であり、航空戦術家でもあるジョン・ボイド氏が発明した、先の読めない状況で成果を出すための意思決定方法で、どんなに先の見えない状況の中でも迅速に意思決定を下し、迅速に行動に移すことがポイントであるらしい。PDCAサイクルは業務改善といった「How」を考えるのに効果的であり、OODAループは起業や事業開発といった「What」を考えるのに効果的なフレームワーク(https://achievement-hrs.co.jp/ritori/?p=2213より引用) ということなのだが、そもそもPDCAのPlanの中にはOODが含まれており、Do=Act、またCにもOODが含まれており、Action=Act と考えれば、PDCAを一回回す間にOODAが二回回っているだけ、と考えれば両者にそれほど大きな違いがあるようには感じられないのだが、改めてOODA(ウーダ)ループとは、と言われると何かそこに新しい、革新的な手法があるのではないか、と期待してしまう。ここで話題として取り上げようと思ったわけは、ObserveとOrientのプロセスに、三現主義(現場・現物・現実)とか五ゲン主義(三現主義+原理・原則)に通じるものあると感じたからである。興味があれば、の話だが、PDCAとの比較ではFFA(フィードフォワード アクション プロセス)なるメソッドもあるらしい。
 

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執筆者について

村田 兼一

経歴 村田兼一コンサルティング株式会社代表取締役。
1978年藤沢薬品工業(現アステラス製薬)入社。注射剤製造、無菌バリデーション技術開発、FDA対応、基幹システム(SAP)開発等に従事後、生産本部にて中期戦略企画、工場分社化推進・合併準備委員会に携わる。合併後のアステラス製薬では、戦略企画の後、製造委受託の推進を担当する。
2012年に退社し、村田兼一コンサルティング株式会社設立。工場の原価をはじめとする計数マネジメントを中心に、SAP開発を含むサプライチェーン全般の管理・改善を専門とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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