業界雑感 【2018年11月】

2018/12/14 その他

 GMP省令第5条に規定する製造・品質管理業務は、製品品質の照査を含むこと。製品品質の照査は、・・・
 PIC/S加盟に備えて国際的な整合性をとるために発出されたGMP施行通知(平成25年8月30日薬食監麻発0830第1号)により、「製品品質照査」あるいは「年次レビュー」はGMPの要求事項の1つになった、という人もいるのだろうが、実はこのGMP施行通知で合わせて改訂された「バリデーション基準」から削除された「回顧的バリデーション」が言葉を変えて義務化されたものだ、と自分なりに勝手に解釈している。管理図による工程管理や品質管理は古典的な手法だし、工程能力指数にしてもそれほど新しいものではなく、90年代バリデーションが一般的になった時には回顧的バリデーションとして使っていたと記憶している。OOSやOOTといっても規格外(不適)とか異常傾向と言っていたものを言い換えたにすぎないのだから。
 前職でサプライチェーン部門として委受託製造管理を担当したときに、委託先とのコミュニケーションツールとして「品質レビュー会」を企画し、主要な委託先から実施してきた。平成19年前後のことだから平成25年のGMP施行通知より前のことになる。内容的には
原材料の品質動向 自家調達をお願いしている原材料もあるので
・工程管理値、製品試験結果のレビュー
・異常・逸脱に関するフォロー 特に異常・逸脱対策の実施状況の確認、横展開等
・苦情処理に関するフォロー 苦情対策の実施状況のフォロー、確認
・変更管理に関する実績フォロー及び今後予定
・年次安定性試験結果の確認
といったところであるから、いま年次レビューに求められている項目とほぼ変わらない。

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執筆者について

村田 兼一

経歴 村田兼一コンサルティング株式会社代表取締役。
1978年藤沢薬品工業(現アステラス製薬)入社。注射剤製造、無菌バリデーション技術開発、FDA対応、基幹システム(SAP)開発等に従事後、生産本部にて中期戦略企画、工場分社化推進・合併準備委員会に携わる。合併後のアステラス製薬では、戦略企画の後、製造委受託の推進を担当する。
2012年に退社し、村田兼一コンサルティング株式会社設立。工場の原価をはじめとする計数マネジメントを中心に、SAP開発を含むサプライチェーン全般の管理・改善を専門とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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