医療機器の市場アクセスに対する新「医療機器監督管理条例」実施の影響

 我が国(中国)の経済、社会の発展及び医療機器産業の拡大に従い、2000年4月1日より実施していた「医療機器監督管理条例」は、クラス分類、企業責任の強化、監督管理手段の革新、違法行為の処罰などの方面において、十分な役割を果たせなくなってきた。6年間に渡って、研究、論証、修訂を繰り返して、新「医療機器監督管理条例」(以下「条例」と略す)は今年3月31日に公布され、6月1日より実施する予定である。

 「条例」は計8章、80条である。クラス分類による管理法と、リスク評価に基づき、クラス分類の改善、承認前適当な削減、製造企業と医療機関の責任の強化、日常管理の強化、及び法律責任の改善等の面で広範囲の改定を行った。新「条例」の改定では医療機器のライフサイクルに亘る厳格な管理制度の制定及び行政審査承認制度の改革と政府機能の転換の精神を取り入れられた。
 
一、主要な変化
 「条例」は新しい承認要件増設しなかった。それどころか、以前の承認の実績に基づき、旧条例に規定した16項の承認要件を9項まで削減した。その内に、第Ⅱ類医療機器臨床試験審査承認、医療機関の医療機器開発製造の審査承認及び第Ⅲ類医療機器強制安全性認証、の計3項がある。

 「条例」は、第Ⅰ類医療機器製品に対して届出制度、第Ⅱ、Ⅲ類医療機器製品に対して承認制度、且つ第Ⅰ類医療機器の製造業者に対して届出制度、第Ⅱ、Ⅲ類医療機器の製造業者に対して審査登録制度を実施することを明確に規定した。同時に、医療機器の販売については、第Ⅰ類製品については規制せず、第Ⅱ類製品に対しては届出制度、第Ⅲ類製品に対して審査登録を実施する。新「条例」は、品質を管理する医療機器製造経営企業の責任を拡大し、経営と使用期間の入荷検査及び販売記録制度を制定し、使用会社の医療機器に対する安全管理責任を増設した。同時に、監督管理部門の日常監督管理責任を強化し、登録、抜取り検査などの監督管理手段を規範化していた。且つ、医療機器不良事象モニタリング制度、登録済み医療機器の再登録制度、医療機器回収制度等を増設することより、管理制度を健全化して、監督管理手段を充実した。
 
登録管理、臨床審査承認、製造許可、経営管理及び違法処罰計五つの面での主要な変化は表1に取り纏めた。
 

 
二、分類管理
 医療機器は範囲が広くて、様々な種類があります。小さいものとして舌圧子、大きいものとして核磁気共鳴装置があり、製品のリスクにも大きな差がある。「条例」の第8条は第Ⅰ類医療機器を届出に明確に改定した。第Ⅱ、Ⅲ類製品に対しては従来通り承認審査を実施する。このように分類して管理し、緩いものと厳しいものを分けている。但し、第Ⅰ類製品を届出制度に改定するのは市場アクセスの敷居を下げることではなく、届出する会社に対しても、審査登録と同様の医療機器の品質管理体系の構築、且つその体系の有効な実施も要求されているので、要求は緩和されているわけではない。

 現在、中国国内に第Ⅰ類医療機器製品の有効な登録証は2万枚以上あり、国内医療機器登録総数の40%以上を占めている。このような監督管理方法で、監督管理の資源を有効に節約し、有限の行政と技術パワーをハイリスク製品の監督管理に集中できる。同時に、高リスク製品製造企業にプレシャーをかけ、低リスク製品製造企業にかける負担を軽減することより、より大きい且つ強い医療機器製造企業に成長させることを促進する。
 

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