製薬メーカーにおけるコア人財の育成【第8回】

 2. 多様性のマネジメント 「多様化こそ企業発展の原動力」
  2.2 ダイバーシティー・マネジメント
 
 「2 多様性のマネジメント」というテーマで進めてきたが、副題である「多様性こそ企業発展の原動力」の意味するところを述べてみたい。
同時に、「ダイバーシティー・マネジメント」について、とくに、日本企業や日本人が不得意としている「コンフリクト・マネジメント」についても考察したい。
 
2.2 ダイバーシティー・マネジメント
 
 組織力・企業力を強めるには異質の人を集めると良いと言われている。同質な集団は、発想も行動も似たものになりやすく、改善は得意でも改革は不得意だからである。それに対し、異質な集団の方が、創造性が高まり、新しいことに取り組むのには有利だと言われている。ブレイン・ストーミングやアクション・ラーニングを進める際になるべく異質なメンバーを集める方が活性化することは良く経験することである。
 さらに、組織においては異質な存在が十分に活躍できていることが大切である。たとえば「女性や外国人を何人採用したか」ということよりも「女性や外国人が何人役員や管理職になったか」ということを重要視すべきである。
 多様な人からなる集団は放置しておくとバラバラになってしまいがちである。すなわち強力なリーダーが必要である。そのリーダーにまず求められることは、メンバーの多様性、メンバー一人ひとりの性格、行動パターン、知識量、情報量、総合能力の違いを認識することが必要である。しかし、メンバー間の違いを認識しただけでは、多様な集団の組織力を高めることはできない。異質な人たちが集まるのだから、当然、コンフリクト(衝突、葛藤、対立など)が起こる。リーダーはこれらを乗り越えるためにメンバーの協力を引き出すことが求められるのである。
 ところで、日本企業の風土は、和を重視するあまり、「コンフリクトは悪である」として避けようとする傾向が強い。すなわち女性や外国人を採用して組織を表面上多様化した後は、男女間や人種間の格差是正や公平性実現に力を入れて、コンフリクトをできるだけ起こさない様にしてきた。ましてや、コンフリクトを戦略的に捉えている企業や人は少なく、また、コンフリクトを解決する方法についての体系的な学びも行われていない。その結果、小手先の解決方法でその場は凌ごうとしてコンフリクト自体は解決しないケースが多いように思われる。そして、組織としての健全さが損なわれて行き、改革はなかなか進まない。
 時を経て、このコンフリクトについて多くの研究がなされ、その結果、協調的で穏やかな集団は、ルーチン業務には向いているかも知れないが、変革には向かない。そこで、この様な集団で変革をしたい場合には効果的にコンフリクトを起こす必要があることが明らかになり、現在ではコンフリクトを戦略的に活用することが求められている。
 今日の様に、ビジネス環境が高度化・複雑化し、変化の速度が増すと、それに伴って組織は素早い意思決定と実行が必要になる。ところが、改革を進めていく過程で、人はその変化を脅威と受け取り抵抗しようとするためにコンフリクトが生じる。しかし、コンフリクトに対処する方法をあらかじめ訓練していれば、恐れる必要はない。

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