GMP管理とデータインテグリティ【第5回】

"1. 製造指図記録書
 製造関連業務としての記録は、まず、製造指図記録書である。MES(製造管理システム)として、製造指図や記録等の文書を管理すれば、CSVの対象となる。しかし、データインテグリティとしては、紙の記録であっても、その内容の真正性は確保されていなければならない。GMP施行通知1に製造指図及び記録の具体的項目が記載されている。
第3章 医薬品・医薬部外品GMP省令
第3 逐条解説
10.第10条(製造管理)関係(第32条において準用する場合を含む。)
(1)製造管理に係る業務について規定したものであること。
(2)第1号の「製造工程における指示事項、注意事項その他必要な事項」とは、ロット
    を構成しない血液製剤に係る製品以外の製品の場合、次の事項をいうものであるこ
    と。
ア.指図者及び指図年月日
イ.医薬品の名称、剤型(原薬に係る製品にあっては工程名)、外観及びロット番号又
  は製造番号
ウ.原料の名称及び配合量又は仕込量(原薬の場合は仕込量)
エ.各製造工程における製品(中間製品を含む。)の理論収量(理論収量を求めるのが
  困難な場合は標準収量)
オ.各製造工程における作業上の指示又は注意事項
カ.資材に関する指示又は注意事項
キ.その他製造指図に必要な事項
(中略)
(4)第1号の「製造指図書」は、原則としてロットごと(ただし、ロットを構成しない
    血液製剤を除く。)に発行しなければならないものであること。
(中略)
(8)第3号の「製品の製造に関する記録」とは、いわゆる製造記録のことであり、次の
    事項が記載されていなければならないものであること。(ただし、ロットを構成し
    ない血液製剤に係る製品を除く。)
ア.製品の名称及びロット番号又は製造番号
イ.製造工程名及び作業年月日
ウ.原料の名称、ロット番号又は製造番号及び配合量又は仕込量(原薬に係る製品の場
  合においては、仕込量)
エ.資材の名称、管理番号及び使用量
オ.各製造工程においての出来高量並びに理論収量に対する収率
カ.製造工程中に行った製造部門においての試験検査の結果及びその結果が不適であっ
  た場合において採られた措置
キ.品質部門による試験検査の結果が不適であった場合において採られた措置
ク.各製造工程が製造指図書に従って行われた旨の確認
ケ.上記のほか、製造作業中に採られた措置
コ.記録者名及び記録年月日
サ.生物由来医薬品等に係る製品の製造記録については、上記の事項のほか、次の事項
  が記載されていなければならないものであること。
(ア)製造に使用した微生物の株の名称及びその容器ごとに付された番号
(イ)製造又は試験検査に使用した動物の死体解剖所見
シ.有効期間又は使用の期限の記載が義務づけられている医薬品又は医薬部外品に係る
  製品の場合にあっては、最終有効期限又は使用の期限
ス.製造管理が適切に行われていることの製造部門による確認
セ.品質部門が出荷の可否を決定した旨
ソ.その他製品の製造に関する記録として必要な事項

 製造記録は、手順書や指図に基づき、製造販売承認書と齟齬なく、製造したことの証しである。そこには、偽りがあってはならない。製造記録を修正されることも多いだろう。ヒューマンエラーは致し方ないと放置はできない。その記録の修正も含め、承認者は承認しなければならない。辻褄を合わすために何も確認をせず、その修正してはならない。記録は、その時に確認したことを記載すべきである。その時、計算をして、その数値を得たなら、計算したことが明確になるよう記録することが必要である。秤量工程で、原料の容器に記載された内容量をそのまま転記したのか、その内容量を秤量した結果なのか、グロスから風袋を差し引いた計算結果なのかが明確になるよう記載することが必要である。"

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます