厚労省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」の要点(17)

4.新ガイドラインとその解説(第16回の続き)
 新ガイドラインにおける重要な項目について以下に説明を加えた。より詳細な解説については日薬連から発行される解説書を参照して頂きたい。
 
8. コンピュータシステムの廃棄
8.1 コンピュータシステムの廃棄の計画に関する文書の作成
製造販売業者等は、コンピュータシステムの廃棄にあたっては、コンピュータシステムの種類や規模、カテゴリ等、必要に応じて、コンピュータシステムの廃棄に関する計画書(以下「廃棄計画書」という。)を作成すること。廃棄計画書には、原則として以下の事項を記載するものとする。
(1) 廃棄に関する責任体制と役割
 ① 組織
 ② コンピュータシステムの廃棄の責任者
(2) 廃棄対象とするコンピュータシステム
(3) データの移行に関する事項
(4) セキュリティに関する事項
(5) コンピュータシステムの廃棄方法
   コンピュータシステムの種類や規模、用途等に応じて以下を参考にして適切に定めること
 ① リスクアセスメント
 ② 前提条件
 ③ スケジュール
 ④ 具体的な廃棄の方法
  ・ハードウェア
  ・ソフトウェア
  ・データ
  ・文書類(手順書、記録、契約書等)
(6) 廃棄完了の判断基準
 
8.2 コンピュータシステムの廃棄記録の作成
 コンピュータシステムの廃棄の責任者は、廃棄計画書に基づきコンピュータシステムを廃棄するとともに、廃棄の記録を作成し、これを保管すること。
 
 
 コンピュータシステムは長い運用期間中に多くの生成物を作成している。それらはシステムによっては臨床試験に関するデータであったり、製造の記録書などである。GxP文書は各々の文書ごとに保存期間が決められており、長いものでは数十年に及ぶものもある。これらの文書や記録は保存期間を通じていつでも読めることを保証しなければならない。「紙」で印刷された文書・記録だけではなく、近年では電子媒体に保存した文書や記録も増えているが、これらも同様に、いつでも読めることが求められている。
 
 「紙」で印刷された文書・記録は書庫や倉庫に保存しておけば多少手間がかかったとしても読むことが可能である。一方、電子媒体に保存した文書や記録の場合には、その文書や記録を生成したシステムでないと困難な場合も少なくない。OSのバージョン、パッケージのバージョンなどシステムは時々刻々変化している。そのシステムでないと読めない場合はシステムの廃棄は文書や記録の保存期間内には出来ないことになる。
 「コンピュータシステムの廃棄」に関する要件は旧ガイドラインには無く、また、GAMP4の付属資料にも登場しない新しい要件であり、文書や記録を電子媒体で保存するようになってからの要件である。GAMP5に反映されたことから厚労省のガイドラインにも盛り込まれることになった。
 


図1コンピュータシステムの廃棄と文書記録の管理

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