エッセイ:エイジング話【第50回】

WFI製造自動化を考える ~その3~

 50回目は節目でありエイジング=時間軸という命題から、自動化について一から考えます。人が日常的に行っていた動きをじっくりと観察し、これを電気的な制御を伴う連続的操作へ変換させる一連の流れでの完成度合と言いますか、先人達が培ってきたコツと言う言葉で括られ熟練により得られた微妙な行為、ノウハウとも言われる微妙な感覚を伴った匙加減(さじかげん)を自動化へ取り込むとき、クリアすべきポイントがいくつか個別に在ったと観ます。
 自動化へ向かう際に避けられないポイントとして、停止を伴うバッチ操作を如何に連続操作へ繋げるか?この見極めでしょう。
 子供の頃にチャップリンのモダンタイムスで見たオートメーションは、次々とベルトコンベア上を流れてくる半製品を一列に並んだ人達が、一瞬の内に組み立てるバッチ操作と連続操作をうまく組み合わせ、全体として連続的ながれへ絶妙に融合させました。

 前回ここで取り上げたミシンの糸切り例では、縫製という連続操作を途絶えさせていた糸切り工程を連続操作へどう繋げるか?ここへ先人が着目したものは何か?答えは昭和の時代に何処の家庭の引き出しにも在った万能な道具=にぎり鋏の微妙な動作だったのでした。

 そもそも、自動化は連続操作のほうが向いており一旦停止もしくは、途中での判断を伴う行為は適していないことは明らかです。ところが、エレクトロセンサー精度向上により、階段でも歩行できるロボットを見た時には正直驚愕しました。
 日常茶飯では停止時間帯にかけてトラブルが起こります。ロボットがクリアした階段を登るとき、特に降りるときに脚を入れ替える操作は、この歳になるとスムースに運ばなくなり、つい手摺に頼り勝ちです。停止時間帯のトラブルで忘れられないのは、冷却水ポンプ停止が要因で爆発へ至ってしまった福島原発事故です。

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