医薬品工場に求められているHSE要件と事例【第34回】

国際化に対応する医薬品会社に必要なHSEとは?
「日本国内製薬企業の国際的な人権問題対応についての課題」

1、  製薬企業のあるべき姿

製薬企業の国際化多様化が進む中、国際社会は日本国内企業の国際法対応が大変な遅れを取っていることをよく知られています。又、日本の製薬企業工場でも国際化多様化が求められていることは周知の事実です。当面の課題は遅れを取り戻すことですね。ではどうやって遅れを取り戻すのでしょうか?即答出来ない日本企業の、そして製薬工場の役員さんやトップそして工場長さんがおられたら、取り戻せるのは何時のことになるのか途方に暮れることになります。にもかかわらず何の問題も感じることなく日常の仕事に追われている方々が何人かはおられると思います。このまま引きずって行ったらどういうことが起きるのかを所謂、災害想定出来ていないからではないでしょうか?

アメリカ・EUをはじめとする各国で人権問題が原因でデモや暴動があちこちで発生しています。なぜ発生するのでしょうか?・・・・このことを他人事としておられる方々は勉強のためになぜ発生するのでしょうか?考えてみてください。原因を知ることから始める事が大切です。調べてみるといろいろな原因が多面的に存在していることが解ると思います。そこで、重要な問題に気づいた方は次のステップに進んでください。答えはサプライチェーンです。国内はもちろん海外のサプライチェーン各社に人権問題、人権尊重、人権侵害その他についての取り組み状況を調査することが求められています。グローバルではすでに進んでいて人権対応を促す法律の厳格な運用を来年2023年には施行されるようです。一例ですが、ドイツでは一定規模以上の在独企業に対し、人権DD ( Due Diligence )の実施・開示義務違反で80万Euro(約1億円)の課徴金が課せられるというものです。日本政府もこれを受けてGuidelineを公表しています。「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」です。お膳立てはできています。 注意すべきは日本国内のみ工場を持っている製薬企業も現在は多くの会社で海外の企業から原薬や資材を輸入している事例が少なくありません。どうやら魅力があるようで、2022年の現状で開発途上国での安価な委託生産や自社工場稼働など多かれ少なかれサプライチェーンマネジメントが必要な環境になってしまっているようです。

あるべき姿は世界中で各企業はその生産業務継続のためお互いに関係工場間・企業間でサプライチェーンAuditを行い、取引を行う相手の財務諸表や人権尊重などの調査により、従業員の労働条件や待遇などのリスクを特定評価し、予防とリスク低減、対策を講じるため人権DDのプロセスをプログラムしたグローバルスタンダードの策定し、救済可能な会社運営を行わねばなりません。自社の人権DDをグローバルスタンダード化することで国内のみならず、世界中のサプライチェーン各社に働きかけることが近未来の企業活動を担保してくれるものと考えます。

 

 

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