FDA:OOS調査のガイドラインを更新

既に、「GMP Platform」の 古田土氏の記事 で紹介されていますが、FDAは、2022年5月、規格外(OOS)試験結果の調査に関するガイダンスを更新しました。2006年に初版が出されて以来、初めての改訂です。OOS調査の手順の不備は、FDA査察でもたびたび指摘されており、このガイドラインには、好むと好まざるにかかわらず、お世話になった方も多いと思います。
今回の改定の中身は、2006年版で使われていた「品質管理ユニット(QCU)」という用語が「品質ユニット(QU)」に変更され、引用されている文献を最新版にするなど軽微な変更があっただけで、本質的な変更はなく、社内のOOS関連のSOPを更新する必要はありませんので、安心してください。ただし、第Ⅳ章の「Outlier Tests(ハズレ値検定)*」について、「ハズレ値検定」が、ある結果が一連のデータとどの程度不一致であるかを理解する上で何らかの価値を持つ場合もあるが、調査の過程で、平均値から結果がどの程度離れているか判断するための情報提供の役割としてしか使用できない」とされ、「ハズレ値検定」を化学分析法の結果を無効とするために使用すべきではないことを明確化したところだけが新しくなっています。
遅ればせながら、更新された「Investigating Out-of-Specification (OOS) Test Results for Pharmaceutical Production, May 2022」の全文を、対訳の形で翻訳しました ので、参考にしてください。

*「ハズレ値」とは、統計的に他のデータからみて、極端に大きな値、または極端に小さな値のこと。外れ値のなかで、測定ミスや入力ミスなど、原因がわかっているものを異常値と呼ぶことが多い。極端に小さい・大きい値であるからといって、それが異常値であるとは限らず、なにか意味があって、極端な値が出ている可能性もある。ある値がハズレ値であるかどうかを統計的な手法(スミルノフ・グラブス検定等)で検定し、ハズレ値であると判断されれば、その値は除去することができる。
 

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