医薬品工場に求められているHSE要件と事例【第29回】

「製薬工場に必要な法律解釈」
「社会に貢献する無償活動なら何をやっても良いのか?」

1、  製薬企業のあるべき姿

製薬企業の国際化多様化が進む中、日本国内法も国際化・多様化に対応すべく変化してきていることに気が付かれていると思います。医薬品製造業界におけるグローバルスタンダードも変わらざるを得ないのが現状です。従って、国内法や企業内のスタンダード、ガイドライン、SOPがこの変化に対応しなければなりません。さて運用面でこれらの対応を考えるときに各企業は国内法にのみ対応していれば合法というわけにいかず、関連の国際法にも適合する必要がある為、今まで以上に抜けの無い現場対応をすることが重要課題となります。例えば、身近な事例ですが、国際法も近い法規制内容である廃棄物の処理及び清掃に関する法律で解釈が明記している問題は注射針など医療用器具の廃棄の方法は法律上は感染性医療用廃棄物、特別管理産業廃棄物として、法的な収集運搬業許可を所有している業者さんと契約し、専門の冷蔵機能を持ち、許可証番号を明記した車両で決められたルートを走行し、直接処分業許可を得た契約処分場へ運搬され、感染性専用容器に密閉した廃棄物の検査を実施の上、溶融か焼却を行うことになります。ここまでは海外の諸国でもほぼ同様の法律で運用されているようです。この感染性医療廃棄物には一般廃棄物の場合も同様に特別管理産業廃棄物として処理が必要ですが、業者さんとの契約や管理が面倒なので処分に困っている方々のために医薬品販売会社が無償で処分するような活動を良かれと思ってやることは、海外の一部の国で合法として行われていても国内では違法と扱われるので注意が必要です。

何故なら、違法行為の一つは、回収時宅急便など収集運搬業許可のない業者に運搬を依頼してしまうということ。

もう一つは、医薬品製造販売会社から売却された医薬品は所有権が購入者に移転しているので、排出事業者は医薬品製造販売会社ではなく購入者となる。

良かれと思ってやった行為、困っている人の役に立ちたいという活動であっても法律上は違反行為です。これらを運用する上でGapとして改善してゆくグローバルスタンダードを各社で構築せねばなりません。つまり、今まで以上に抜けの無いGap Analysisを構築するためのグローバルスタンダード、国際法を取り込んで運用せねばなりません。 日本の企業文化は保守的であることがあり、「いままで何事もなかったから」という理由でこのままでやってゆけば何も改善しなくて良いのではと高を括っていることはできません。外国の各国、特に先進国ではすでにあらゆる変化に対応する法改正がどんどん進んでおり、日本との時間差は30年の開きが出てしまっているようです。国際化・多様化はそのOut Putとして問題になっているのに日本の文化を大切にしている日本企業がすべてのカテゴリーで時代遅れになってしまったようです。筆者の私見ですが、これからの10年で取り戻すことは難しいと思われます。まずはこの遅れていて世界に対応出来ていない国際法への対応は大きな課題となりますね。気づきからスタートして「仕事が先かスタンダード作りが先か」で悩み、具体化出来るのは長期間を費やすことになるのではないでしょうか。 

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