医薬品工場に求められているHSE要件と事例【第25回】

「M&Aの後始末を考えるBCM」

1、  製薬企業のあるべき姿

M&AとはMerger & Acquisitionsの頭文字を取った企業の合併・買収のことで2つ以上の会社がひとつになったり(合併)ある会社が他の会社を買い取ったり(買収)すること。

製薬企業の国際化が進む中、企業の多様化を配慮した製薬工場の各種取り組みが求められるようになってきました。製薬企業は大変厳しいGMPの法律を守り、患者様の医薬品使用に対する安全品質を担保せねばなりません。同様にHSEの運用についてはリスクベースの継続管理であり、すべてのリスクは許容できるレベルに低減して運用することが日本人従業員のみならず外国人従業員の皆さんの健康と安全を守ることが必須となります。そのためにはHSEのグローバルスタンダードで求められているのは国内はもちろん海外の日本企業で働くすべての人々の健康被害の予防です。これはGMPだけでもHSEだけでも達成できない課題で自然災害や人的災害のすべてに対応してビジネスを継続できる国際的スタンダードを構築し運用して行くことが求められてきました。

BCM ビジネス継続マネジメントシステム  CSR 企業の社会的責任 

SDGs 持続可能な開発目標

GMP患者様の安全   HSE: 従業員の健康安全を守る


国際化・多様化は世界レベルで始まったのは約25年前頃でしょうか。海外のグローバル企業が統合を行い始めました。当初は両社が納得して統合事業が行われていたのですが、何年も経過しないうちに敵対的統合(M&A)という形で一方的に株の買い占めにより会社を乗っ取るというやり方が数多く新聞に掲載されるようになりました。現在、海外でロシアがウクライナを攻撃しているのをテレビで見ていると当時の企業のやり取りを間接的にみているように思えてなりません。これは世界中の企業に今までのようにマイペースで企業活動をしていても安泰という時代が過ぎて常に危機感をもって、ビジネスに弱点が無いか株価の動きをグローバル企業がみていることを気にする必要が出てきたことです。これは外資系企業から徐々に浸透していったと記憶しております。食うか食われるかの時代に大切な従業員の健康を守ることを企業はどれだけ真剣に取り組んできたのでしょうか?当時、M&Aの専門家に聞いた話ですが、魅力のある会社が狙われることは誰でも承知でしたが、では魅力のある会社とはという質問の答えは以下のような項目でした。 医薬品工場では売上金額の大きな製品の特許権をまだまだ継続保持できる会社、製品品質が高い、資産価値の高い工場を持ちグローバルのAuditにて良い評価を受けている、社員の機械保全技術レベルが高い、給与が安い、土壌汚染や地下水汚染がない、財務諸表で適切な留保を蓄積してきている、その他Due Diligenceで求められるたくさんの項目、そして驚いたのは社員の文化としておとなしい社員が重宝がられると思いきやなんと声を上げることのできる社員が多いことを重要視してました。理由は明確で声を上げることが出来る人は常々勉強する人ということが25年前からグローバル企業は知っていました。筆者は何と日本企業はのんびりしていたんだなーと感心すらした次第です。お陰様で筆者は運が良いのか悪いのか現役時代に7回もの統合、M&Aを経験させていただきました。GMPもHSEもAudit Scoreでチェックされます。買収なり統合を仕掛ける企業は良い買い物をしたいと思っています。そして、会社は大きくなりますので必然的に工場も人も余分なものをそぎ落とす必要が当然あります。これらの対応を前もって準備できていなければなりません。新会社の企業作り技術が求められるのです。すでにDue Diligenceで評価済ですが閉鎖する工場の決定とそのあと処理内容の確定、早期退職対象者など人材の適性が図られます。これらによって、より強い企業作りが求められます。このうちGMPやHSEのAuditによって閉鎖対象工場の選定にて不幸にも選ばれた閉鎖工場の後処理作業が大変重要な業務となります。
 

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

キーワード検索

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます