【注射剤のパッケージタイプに関するFDAドラフト版ガイダンス】ASTROM通信<86号>

株式会社プロス発行のメールマガジン『ASTROM通信』のバックナンバーより記事を抜粋し、一部改編をしたものを掲載いたします。

本稿は【2015.11.15】に発行されたものです。
記事の原著は、こちらでご確認下さい。 ASTROM通信バックナンバー



こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

今年も残すところ1ヶ月半となりましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

先日、日薬連主催の第35回GQP/GMP研究会に参加し、あらためて“6つのギャップ”の継続的対応と、将来必ず施行されるであろうPIC/S GDPガイドラインへの対応準備の必要性を感じました。

さて、本日は、10月21日にFDAより発出された、Selection of the Appropriate Package Type Terms and Recommendations for Labeling Injectable Medical Products Packaged in Multiple-Dose, Single-Dose, and Single-Patient-Use Containers1 for Human Use Guidance for Industry(ヒト用注射剤のパッケージタイプの選択と、複数回投与用/一回投与用/一患者用容器のラベリングに関する勧告の業界向けガイダンス)のドラフトについて取り上げたいと思います。
※現在、このドラフトに対するパブリックコメントが募集されている状態です。

最終版が発出されると、これまで使われてきた注射剤のパッケージタイプであるSingle-Use(単一使用)が廃止となり、新しいタイプに変更する必要があるため、アメリカ向け注射剤を製造している企業にはインパクトのある内容だと思いますが、注射剤の製造に関係の無い方も”へー、そういう理由で変更になるのか”と思いながらお読みいただければ幸いです。

ガイダンス案の原文
http://www.fda.gov/downloads/Drugs/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/Guidances/UCM468228.pdf

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ドラフト版ガイダンスの内容
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Ⅰ.序文
このガイダンスは、適切なパッケージタイプの選択と、複数回投与用/一回投与用/一患者用の容器に包装されたヒト用注射剤に関する適切な廃棄の記述の選択に関するFDAの勧告を提供する。
特にこのガイダンスは、FDAの複数回投与用/一回投与用の容器に関して改訂された定義を示し、新しいパッケージタイプである一患者用容器の定義を紹介する。
一般にFDAのガイダンス文書は法的履行責任を定めない。その代わりに、ガイダンスは、当局の現在の考えを述べたものであり、規制当局の要件または法的な要件としてではなく勧告として見なすべきである。

Ⅱ.背景
注射針、注射器、バイアルの複数患者に対する不適切な使用を含む危険な注射の実施は、患者の安全を脅かし、血液による細菌やウイルスの感染症の流行につながった。一回投与用の容器が不適切に使用された時に、中味が汚染され、これが複数の患者に投与され、細菌感染症が伝染した。また、標準的な使用上の注意の不履行や、無菌手法の不履行が、複数回投与用バイアルに関する感染症の数回の流行と関係している。一回投与用や複数回投与用バイアルの事故例は以下の通りである:
・1998年から2008年にかけて、アメリカ国内の病院外のヘルスケアの場で、危険な注射の実施による患者間の血液感染性の病原菌の伝染により、ウイルス性肝炎が33人に流行した。
・疾病対策センター(CDC)によれば、5年の間に、外来患者施設において、一回投与用注射剤の不適切な使用により少なくとも26件の事故が起き、95,000人以上の患者が感染性疾病の感染の可能性にさらされた。
・2002年、オクラホマのペインクリニックにおける危険な注射針/注射器の使用が、71件のC型ウイルス肝炎(HCV)の感染と、31件のB型ウイルス肝炎(HBV)の感染につながった。
・2008年、ネバダにおけるHCV流行は、複数患者への注射針の再使用と、一回投与用の容器の複数患者への使用が原因と考えられる。

上記の通り、一人の患者への使用を意図した一回投与用容器が過去に複数の患者に使用され、この使用が細菌性感染症やウイルス性感染症の流行の原因の一つになった。更に、既存のパッケージタイプは、複数回投与に使用されるある種の容器(例:インスリンのペン型注入器)が一人の患者の使用を意図していることを適切に伝えきれていないという懸念がある。

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