USP General Chapter 1220の創設

2016/08/25 品質試験

USPは、general Chapter1220のdraftを2015年発出、7月末を期限にpublic commentを収集している。
http://www.usp.org/usp-nf/notices/1220-analytical-procedure-lifecycle
 
1. USP 1220は、開発から運用までの一連の分析手順(生涯管理)“The Analytical
  Procedure Lifecycle”である。
 
これは、現状のRisk based GMPとICHQ9, 10のリスクに軽減・継続的改善を骨子として、USPが既存の章建てを改め、1本化しようとしていることの一つである。
 
この章では、製品の分析法の開発・運用は、検証、維持、改良を3段階で行うことが要求されている。この考え方は、FDAの新しいProcess validationのguide(以下URL参照)の方針と同じである。
http://www.fda.gov/downloads/Drugs/.../Guidances/UCM070336.pdf
 
分析法の生涯管理は、FDA PV guideと同じく、3つのstageに分類される。詳しいFlowは下記のURL中の図を参照頂きたい。
https://www.usp.org/sites/default/files/usp_pdf/EN/USPNF/revisions/lifecycle_pdf.pdf
 
3stageとは;
• Stage 1—Procedure Design (development and understanding)
           分析法の設計・開発
           分析の変数を準備
           この段階で、分析法;頑健性を検証
• Stage 2—Procedure Performance Qualification
           分析法を検証する
           分析に関する方針(精度、繰り返し数など)を決める
• Stage 3—Continued Procedure Performance Verification.
           分析法を用いて、実際の分析作業を行う
           適時、分析法は照査して、分析結果の傾向分析、
           改良が必要かどうかを検討する
           乖離・変動を解消するために、常に分析法を改良し続ける
 
2. 分析の手順に関しても、下記の図に示される、3段階の工程を認識する。
  その各課程でも、リスク分析を行う。


図1 分析の実工程
 
① サンプルの採取、準備、試薬・標準品の準備
② 分析(機器の適格性・校正を含む)
③ 報告書の作成;dataのまとめ方(QCの方針;繰り返し、平均値の取り方)
この3段階で、実際の分析を行う。この3 stepsすべてで、リスク管理が求められる。

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執筆者について

古澤 久仁彦

経歴 1978年住友化学工業に入社、創薬、安全性等に従事。2004年三井農林(株)に入社APIの製造部門にて、信頼性保証部長を歴任、2010年テバ製薬(旧大洋薬品)に入社、信頼性保証部門、部長としてvendorのGXP全般の監査を担当。2014年退社。
製造所のGM(X)P監査・risk評価並びGMP管理(製造管理、品質保証・管理、文書管理)の実践的対応、risk分析、PMDA/FDA査察の実践的対応を得意とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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