【和訳】PIC/Sのデータインテグリティガイダンス【第11回】

2021/10/15 品質システム

【第11回】データマネジメント(いわゆるデータインテグリティ:DI)のPIC/Sガイドライン最終版の和訳です。

8.7 Making corrections on records/記録の修正
Corrections to the records should be made in such way that full traceability is maintained.
記録の修正は、完全なトレーサビリティが維持されるような方法で行わなければならない。

Item   How should records be corrected?
項目   記録はどのように修正すべきか?

1 Expectation/期待されること
Cross out what is to be changed with a single line.
変更すべき箇所は一本の線で消すこと。

Where appropriate, the reason for the correction should be clearly recorded and verified if critical. 
必要に応じて、訂正の理由を明確に記録し、重大な場合は検証すること。

Initial and date the change made.
変更した箇所にイニシャルと日付を入れること。

Specific elements that should be checked when reviewing records:
・ Check that the original data is readable not obscured (e.g. not obscured by use of liquid paper; overwriting is not permitted).
・ If changes have been made to critical data entries, verify that a valid reason for the change has been recorded and that supporting evidence for the change is available.
・ Check for unexplained symbols or entries in records.
記録をレビューする際の具体的なチェックポイント
・ 元のデータが判読可能であり、不明瞭でないことを確認する(例:修正液の使用によって不明瞭になっていないこと、上書きは許されない)。
・ 重要な記録データの記入に変更が加えられた場合は、変更の正当な理由が記録されているか、また、変更の裏付けとなる証拠があるかを確認する。
・ 記録に説明のつかない記号や記入がないか確認する。

2. Expectation/期待されること
Corrections should be made in indelible ink.
訂正は消せないインクで行うこと。

Specific elements that should be checked when reviewing records:
・ Check that written entries are in ink, which is not erasable, and/or will not smudge or fade (during the retention period).
・ Check that the records were not filled out using pencil prior to use of pen (overwriting).
記録をレビューする際の具体的なチェックポイント
- 記入された内容は、消せないインクで書かれており、(保存期間中に)にじんだり薄れたりしないことを確認する。
- 記録が、ペンを使う前に鉛筆で記入されていないこと(上書きされていないこと)を確認する。

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執筆者について

脇坂 盛雄

経歴 1979年エーザイ株式会社入社、9年間、品質管理と21年間、品質保証を担う。
専門領域はGQP品質保証、注射剤及び固形剤の異物対応、品質リスクの発見と低減対応 ・医薬品/食品の表示校閲、製品回収リスク回避対策 ・逸脱/苦情対応、変更管理(一変/軽微変更)対応。品質保証責任者(品責)、統括部長および理事を歴任し、2013年9月末に退職。
現在は企業のコンサル・顧問を行う傍ら講演会講師、書籍執筆などを精力的に行っている。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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