QCサークル活動とGMP【シリーズ-1】

はじめに
 QC(Quality Control)サークル活動(小集団改善活動)とは、第一線の職場で働く人々が、継続的に製品・サービス・仕事などの質の管理・改善を行う小グループのことです。
 このQCサークル活動は、戦後の復興期にあたる1962年に日本で誕生し、日本の品質向上、経済発展に大きな貢献を果たしてきました。
 一方、GMPとは、Good Manufacturing Practiceの略で,医薬品の製造と品質管理に関する基準のことです。1968年に世界保健機関(WHO)でGMPの制定を決議し、1969年に各国に勧告しました。日本では1974年に厚生省薬務局長通知として医薬品に関するGMPが作成され、1980年に厚生省令として公布されました。
 QCサークル活動は、製品・サービス・仕事などの管理・改善をする活動ですが、このサークルの運営は自主的に行うのが基本とされています。GMPは、バリデーションに代表されるように、「科学的に証明された考えに基づき、あらかじめ決められた規格と品質が恒常的に達成できるよう製造工程を検証し、これらを文書化する」ことと、その結果を文書として保存するという一連の検証方法と言えます。
 従って、QCサークル活動で行う改善活動が、科学的妥当性が担保された改善であれば問題ないが、そうでない改善ですとGMPから逸脱してしまうことになります。また、改善の実施(変更の実施)にあたり、影響を受けるすべての文書が確実に改訂され、関連する部門への教育訓練を徹底するなど変更管理を実効的にすることが求められています。このことから、GMPの認証を受けている企業(工場)においては、QCサークル活動の導入に躊躇する一因にもなっています。
 そこで、本シリーズでは、QCサークル活動を正しく理解し、GMP認証企業に導入していただくための提言をします。QCサークル活動を通して、社員が自己実現を実感できる環境づくりのヒントになれば幸いです。
 
 本シリーズの掲載内容(予定)は以下の通りです。
 1.QCサークル活動の基本
 2.QCサークル活動の進め方
 3.QC的ものの見方考え方
 4.GMPとHACCP
 5.GMPとQCストーリー
 6.GMPと現場改善の基礎5S
 7.GMPとヒューマンエラー
 8.リーダーが身に付けたいコーチングスキル
 9.これからのQCサークル活動 
 

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