FDAの対応すべき医療機器規制について【第6回】

2020/03/13 医療機器

QSRによる品質システム構築にあたって注意しなければならない点として、その要求事項の中に誤解を生む可能性のある表現を含んでいる点が挙げられます。【第6回】 の本記事では、QSRにおける「Training(訓練)」と「Awareness Training(認識訓練)」の2つの用語について解説いたします。

 まず、QSRとISO 13485:2016では以下のように規定されています。

Part 820.25 要員[4]
(b)訓練;各製造業者は、訓練の必要性を特定し、すべての要員が割り当てられた責任を適切に遂行するように訓練されることを確実にするための手順を確立しなければならない。訓練は文書化されること。
(1)彼らの訓練の一部として、要員は、特定の業務の不適切な実施により生じる可能性のある機器の不具合を認識させられること。
(2)検証およびバリデーション活動を行う要員は、業務の一部として遭遇する可能性のある不具合および誤りを認識させられること。

ISO 13485:2016 6.2人的資源[5]
・・・製品の品質に影響を与える業務を行う要員は、適切な教育、訓練、技能および経験に基づいた力量がある。組織は、要員の力量の確立、必要な教育訓練の提供および認識を確実にするためのプロセスを文書化する。
d) 組織は、要員が自らの活動の持つ意味と重要性を認識し、品質目標の達成に向けて自らどのように貢献できるかを認識することを確実にする。

2ページ中 1ページ目

執筆者について

細田 誠一

経歴 東京電機大学卒。オリンパス光学工業(株)、オリンパスメディカルシステムズ(株)、オリンパス(株)にて、医療用内視鏡システムの設計・開発、製造と工程管理、品質保証と多岐に亘る業務担当の経験を重ね、グループ子会社の工場品質部門にて品質システムの管理責任者、オリンパスメディカルシステムズ製造部門にてプロセスバリデーション推進、本社品質保証部門にてCAPA活動推進の責任者の任務を遂行しました。FDA査察/MDD 監査/QMS 適合性調査における実践対応の経験、および定期FDA査察においてNAI(No Action Identified)に導いた実績があります。定年退職後、現在はコンサルタント、セミナー講師、書籍等への執筆活動を進めております。
資格等
IRCA品質マネジメントシステム審査員補
(公財)日本医療機器センター QMS講習会検討委員
未来医学研究会会員
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

11件中 1-3件目

コメント

この記事へのコメントはありません。

セミナー

2025年5月30日(金)10:00-16:30

バイオ医薬品の開発とCMC戦略

2025年7月2日(水)10:30-16:30~7月3日(木)10:30-16:30

門外漢のためのコンピュータ化システムバリデーション

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

株式会社シーエムプラス

本サイトの運営会社。ライフサイエンス産業を始めとする幅広い産業分野で、エンジニアリング、コンサルティング、教育支援、マッチングサービスを提供しています。

ライフサイエンス企業情報プラットフォーム

ライフサイエンス業界におけるサプライチェーン各社が提供する製品・サービス情報を閲覧、発信できる専門ポータルサイトです。最新情報を様々な方法で入手頂けます。

海外工場建設情報プラットフォーム

海外の工場建設をお考えですか?ベトナム、タイ、インドネシアなどアジアを中心とした各国の建設物価、賃金情報、工業団地、建設許可手続きなど、役立つ情報がここにあります。

※関連サイトにリンクされます