業務効率化を目指す人へ ISOT入門【第3回】

1、『ZAI』とは?
 株式会社ZAICO(https://www.zaico.co.jp/)とのコラボレーションドライバーです。本ドライバーは、メディカルやライフサイエンス分野における分析機器及び汎用機器は、採択された研究プロジェクトが終了した後、活用されず休眠資産となってしまうケースがしばしば散見されます。これらの機器は高額であり、その多くが国から拠出される2,000億円以上の研究費で購入されています。そのため、ある組織で休眠資産化している高額な機器が別の組織で必要とされている場合、大きな社会的損失になります。理化学機器が休眠する大きな要因として資産管理が不十分なため休眠化している事に気づかれず、また不要になった機器を売却処分しようにもその手続きや取引の煩雑さゆえに、放置されてしまうという要因があります。また、これらの機器を取引する手法は限られており、機器の流動性が著しく低いことも休眠資産化の一因となっています。


図6:ZAIの概要図(理科研株式会社「ISOTのご提案」より)


 『ZAI』では、理化学機器等を使用している企業・組織に本ドライバーソフトへの使用登録をご案内します。本ソフトに利用者の許諾の元、匿名で売却候補資産データとして他の企業・組織の方が閲覧できるようにデータ整備を実施し、売り手と買い手のマッチングを実施します。その際、理科研株式会社が各メーカーの窓口となり、機器の修理・メンテナンスを一元管理で対応いたします。登録された機器にはQRコードを貼付し、それをクラウドシステム上でリアルタイム管理を実施し、使用履歴や修理履歴データを蓄積し、いつでも参照できる事で常に迅速なアフターフォロー体制を実現することができます。
 このように、通常、理化学機器を保有する企業・組織が行うべき資産管理を『ZAI』を利用して実施する事で、資産を休眠化させない仕組みを提供できます。この仕組みによって、高額な理化学機器の流動性を高め、企業及び組織が無駄なく機器を活用できる社会を実現し、メディカル・ライフサイエンス分野の発展に寄与していきたいと考えています。
 
2、『Recycle Network』とは?
 日立キャピタルサービス株式会社(https://www.hitachi-cs.co.jp/)とのコラボレーションドライバーです。減価償却期間満了の機器を対象に、機器の状況を査定し機器の買い取りを実施します。一方、我々が買い取り、保有している機器の情報を公開し、購入希望があれば再販させていただくサービスプログラムです。購入と販売の一連の流れを下記の図表の通り実施しています。

図7:Recycle Networkの概要図(理科研株式会社「ISOTのご提案」より)

 
我々のサービスの非常に特徴的な機能がいくつかあります。
 ・中古買取販売の実績を持つ、日立キャピタルサービス株式会社とのタイアップ
 ・機器の定期メンテナンスをQRコードでクラウド管理し、定期メンテナンス・
  バリデーションを自動管理する『資産管理サービス』
 ・分析機器のみならず、汎用機器に関しても、まとめて査定可能
 
上記の各サービスを組み合わせて運用する事により、SDGsの12項目目『つくる責任、つかう責任』を達成する事が可能になります。また、買取及び販売した際に発生する買取金額(還付金)を国土緑化推進機構(緑の募金)等へ寄付する事で、17項目中の14項目を達成する事が可能になります。まさに、SGDsへの組織的取組みとして社会貢献する事が可能になります。既に、民間企業様からは、多くのリクエストを頂戴しており、お客様と一丸となり、持続可能性社会の実現に取り組んでいるサービスプログラムとなっています。
 
 
3、『MULTI VENDOR』とは?
 ヤマト科学株式会社(https://www.yamato-net.co.jp/)とのコラボレーションドライバーです。製薬企業の研究施設には、国内・海外メーカーの分析機器が数多く設置されています。医薬品の品質保証に関わる重要な解析データを安定的に取得するために、定期的な機器メンテナンス及びバリデーションは必須項目になっています。しかし、保守契約及び定期バリデーション契約に関しては、納入メーカーもしくは、納入代理店と個別の保守契約締結をしており、大手製薬企業様では、毎年、数百件の保守契約締結を実施しなければならない事もあります。本ドライバーは、その煩雑な個別保守契約を一括で契約。保守契約の総合窓口として契約し、各社の定期メンテナンス計画や年間バリデーション計画の立案・運営をまとめて請負うことで、突発的な故障対応や、バリデーションを年間計画に基づき、滞りなく実施させていただきます。


図8:MULTI VENDORの概要図(理科研株式会社「ISOTのご提案」より)


 
 また、導入に際してのメリットは以下の通りです。
  ・全国22拠点に技術者が常駐による迅速なサポート体制
  ・複数のメーカーライセンスを保有した専任技術者を数多く保有
  ・専門技術者による定期点検が可能
 
 各社が独自に保有している管理SOPを共有した上での定期メンテナンスにも対応させて頂く事が可能です。また、『ZAI』及び『Recycle Network』とサービス連携をする事で、減価償却期間を満了した機器を廃棄処理することなく、予想以上の査定価格で買取を実現することが可能になります。持続可能性社会の実現に貢献するサービスプログラムのツールとして、注目を集めているサービスプログラムです。
 
4、SDGsの実現
 SDGs(Sustainable Development Goals)持続可能な開発目標と定義付けされています。外務省によりますと、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいるプログラムです。(外務省HP:JAPAN SDGs  Action Platformより)ISOTもSDGsへの積極的関与を目指しています。本サービスで実現可能なドライバーの組み合わせが下記の内容になります。

 
図9:ISOTによるCSV実現のイメージ図(理科研株式会社「ISOTのご提案」より)


 
 新たな設備を導入する際に、『ZAI』に資産登録を実施します。定期的な機器メンテナンスを『MULTI VENDOR』で一括契約し減価償却期間満了まで、計画的に機器のメンテナンスを実施します。減価償却期間満了後、『Recycle Network』にて機器買取を実施させていただき、売却益の一部を国土緑化推進機構に寄付することで17項目中の14項目を実現することが可能になります。日本政府としても積極的な関与を企業及び各組織に求めている活動ですので、本サービスプログラムへの参加要請が全国的に広がっています。
以上

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