通訳あるあるネタ【第11回】

2019/05/24 品質システム

最近他の通訳者たちと話した「困りごとあるある」を、2回の連載に分けて皆様に解説したいと思います。通訳という仕事について、正しい理解が広まることを願っています。

1)スピーカー(講演者)が通訳レシーバーで同時通訳が追いついていることを確認
  しながら喋る
2)取締役会等のラウンドテーブルで、通訳者を後方隅の目立たない場所に配置する
  同通ブースをスピーカーやプロジェクター画面が見えない場所に配置する
3)読み原稿の提供が無い
4)全部訳すのではなく、要約又は分からないところだけ通訳してほしいと依頼
  される
5)(査察の場で)英語が堪能な方が査察官と直接英語でやり取りをし、区切って
  もらえないので通訳不可能(書記や周りの対応者に話の内容が伝わらない)
6)発言時にマイクを使わない

1つずつ解説します。

1)スピーカー(講演者)が通訳レシーバーで同時通訳が追いついていることを確認
  しながら喋る
英語が流暢な方で、自身の発言の英訳を通訳レシーバーで聞き、通訳が追いついていないと訳出が終わるまで待つ方がいらっしゃいます。同時通訳では、スピーカーより1テンポ遅れて訳出を開始、次のセンテンスが始まる時にはまだ前のセンテンスの終わりを訳しています。スピーカーの思考とシンクロするためにはある程度話を聞く必要があるのに、1文ごとに区切られてしまうと思考の流れにうまく乗ることができず、スムーズな訳出ができません。私たち通訳者は話されている「言葉」を「逐語訳」しているというより、ある言語で話された「内容(アイデア)」を別の言語で「再構築」していることをご理解ください。

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執筆者について

西手 夕香里(通訳・翻訳修士)

経歴 シミックホールディングス株式会社人財部Senior Interpreter
シミックファーマサイエンス株式会社信頼性保証本部薬事スタッフ(通訳担当)
Monterey institute of international studies (MIIS) 通訳翻訳修士課程終了。自動車関連大手企業で8年 (うち米国勤務が7年) 、米国系大手製薬企業で3年、社内通訳経験を積んだ後に独立。
規制当局によるGxP査察の通訳を中心に医薬分野でフリーランス通訳をしていたが、グループ会社の査察通訳がきっかけで2016年5月にシミックホールディングスに入社。非臨床と臨床を中心に、基礎研究から市販後までのプロジェクトに通訳・翻訳者として関わる。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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