Prof. Jane DoeのGood Practices講座【第11講義】


第11講義:日本版GDPガイドラインのトリセツ/第6章~第7章
 
Jane Doe教授のGood Practices講座です。品質関係のGood PracticesのためにGQP・GMP・GDPそしてPQSを学びたい方のための講座です。本講座、真剣に読んで頂くと、そのうちなんとなく役に立ったといった不思議な効果をもたらすかも(?)しれません。今回は、2018年12月28日付の厚生労働省医薬・生活衛生局総務課と監視指導・麻薬対策課の合同事務連絡として発出された「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン(日本版GDPガイドライン)」の“トリセツ(取扱説明書)”の第5回目です。

なお、文中には一部不適切な表現もありますが、分かり易さ並びに現実的な雰囲気を優先して表現しているということでご理解ください。
 
---------------------------- JD教授の授業開始でーす!----------------------------
 
教授:はーい、みんな元気? 今回も前回の続きで、日本版GDPガイドラインのトリセツよ。今回は第6章からスタートよ。この章、GDPの肝だからね。だから、ちゃんと聞いて、シッカリ勉強するのよ。じゃ、はじめるねー。
 
第6章  苦情、返品、偽造の疑いのある医薬品及び回収
教授:この章はね、GMPやGQPで言う「苦情」(品質等に関する情報及び品質不良等の処理に条項に相当)と、「回収」以外の「返品」と「偽造の疑いのある医薬品」と言うGDPならではの事項が記されているわ。だから注意してね。
学生:はーい。

6.1 原則
教授:以下がポイントかな。
①   卸売販売業者と製造販売業者との適切な連携
②   全ての行為について手順に沿った記録と取り扱い(保管)
③   記録の所轄当局による閲覧
④   再販売時の留意点(譲受人からの保管品質の保証・任命された職員による
  事前評価・全ての関係者による一貫したアプローチ)
ただ、冒頭にある「全ての苦情、返品、偽造が疑われる医薬品及び回収については、卸売販売業者は製造販売業者と適切に連携すること。」って言葉、日本版GDPガイドラインとして、元のPIC/S GDPの書きぶりを活用して主語を明確にしようとしたんだろうけど、返ってへんちくりんになっちゃった感じがするわ。だって“卸売販売業者”って、「卸売販売業者+製造販売業者」ってことなのに、その後で「製造販売業者と適切に連携」って言うのは、言いたいことは理解するけど、変じゃない? もっと素直に表現した方が良かったように思うわ。
学生:へー、気づきませんでしたが、確かに変っすね。
教授:それと、「全ての項目は記録し、手順書に従って適切に保管する必要がある。」と言うところ、元のPIC/S GDPの引用だと思うんだけど、「All ---- must be recorded and handled carefully according to written procedures.」だから“取り扱う”なんじゃないかな。あくまでサプライチェーンの中での問題事象の発生だから、保管に限定されないんじゃないかと思うのよ。敢えて丁寧に表現したいならば、“保管・輸送を含めて適切に取り扱う”ってところかな。箇所箇所で“完全性(integrity)”って言っておきながら、一方ではなんか決めつけてしまっているような感じがしてならないのよねー。これこそ“Data Integrity”に絡む要素だと思うんだけど。GMPやGQPに不慣れな人も対象になるから、この辺はキチンとしておいて欲しいと思うのよねー。
学生:確かに。

6.2 苦情及び品質情報
教授:「苦情及び品質情報」って銘打っているけど、GMP省令とGQP省令を意識しているだけで、要は「苦情関係」のことよ。ただ、「品質に関する苦情」と「流通に関する苦情」とを分けてね、とは言ってるわ。まぁー、当たり前だけど、前者については製造販売業者に速やかに連絡しなきゃならないし、後者については「どこでどうなった」っていう調査が必要ね。
学生:そーすね。
教授:それと当該ロットだけじゃなく、他のロットについても調査よ。
学生:フツーは、在庫品全てに対して調査しますよね。
教授:偉いねー、その通りよ。製造所なんかであれば、少なくとも苦情の出た前後のロットについては必ずチェックするわよね。苦情って結構多いから、担当者が必要ね。その程度や中身にも依るけど、CAPAも必要だし、場合によっては、当局への通知も必要だわ。
 
 

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