面白エピソードからみる輸送物流【第9回】

2019/03/15 その他

さてシンガポールに来てしばらくすると、まぁ誰も筆者の相手なんぞしてくれなくて当然ながら自分の仕事をする訳ですが、引越の作業がある時は当然筆者が現場に出るのですが、時期的に引越がそれほど多い時期ではないので、先輩のSさんに同行して日系企業の営業について回ることも多々ありましが、航空貨物の場合はまがりなりにも2年間携わってきたので商談の内容は分かるのですが、海貨になるとどうも分からない事が多く営業先から戻ると質問責めになっていました。
 だいたい同盟船、盟外船って何????
という状態でしたから。


同盟船というのは運賃同盟を結んでいて特定航路に定期船を運行する船会社が過当競争を避け、安定した運賃・サービスの向上等を目的とし、運賃やサービスを協定する国際的なカルテルなんです。
なので運賃(海運)同盟に加盟している船会社の船舶を同盟船と言い、それに対して加盟していない船舶を盟外船と呼ぶんです。
加盟している船会社は同盟で設定された運賃率(タリフ)を適用となり、同盟に入っていない盟外船の場合、各船会社が独自のタリフを持っていて、基本自由運賃で、需給バランスで価格が変動するのが特徴なんです。
なので盟外船の方が運賃が安くなる傾向にありました。

海運に関してはずぶの素人だったのでこのように海運の基本を学べたのは非常に良い経験になり、ベルギーに赴任して役に立ったのですがこの辺りは追々記して行きます。

また、海貨の場合にはコンテナを丸々一つ貸切の状態で輸送はコンテナごと運ぶFCLと一つのコンテナに複数の輸出者の荷物を詰めて送る混載便のLCLがあり、FCLの場合はコンテナごと荷受人のところに持って行くのですが、LCLの場合はコンテナから貨物をすべて出し、顧客毎に仕分けして荷受人に届けるのですが筆者も当時はピチピチの若手でしたから、LCLのコンテナブレイクの作業にも駆り出され、現場も経験したのでした。
特に日本人の海外引越の場合、企業が引越貨物の上限を設ける場合が多く、一つの引越でコンテナ1本を使用することは少なく、LCLがベースになるので良い勉強になりました。

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執筆者について

久田 正洋

経歴 株式会社トラスト・エキスプレス 取締役営業本部長
1964年生まれ。1987年大手運送会社入社 国際航空事業本部に配属以来、国際物流畑を歩み、外資運送会社を経て2004年に現職に付き、以降、医療機器、精密機械、医薬品等の物流にかかわり、治験薬輸送、医薬品中間材料、医薬品原材料輸送を立ち上げ現在に至る。
医薬品輸送にかかわるGDPにおいても、自社での治験薬、医薬品中間材料、医薬品原材料輸送にいち早くGDPガイドラインを導入。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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