外部包装に保管条件が示されていない場合にも温度モニタリングは必要か?

2018/08/01 ニューストピックス

8/1付のECA/GMP Newsが「No Monitoring needed if there are no Storage Conditions on the Outer Packaging?」と題する記事を掲載しています。
 
タイトルの意味としては、「外部包装に保管条件が示されていない場合には温度モニタリングが必要ないと考えて良いか?」というものです。
 
回答としては「No(必要)」です。
 
そもそも、当該品目の製造販売承認を取得する際に、ICH Q1ガイドラインに沿ったご丁寧な安定性試験を実施している訳ですから、表示の有無に拘らず、その温度帯に見合った保管条件にすべきなのは当然では?
 
ちょっとキツイ言い方とはなりますが、「GMP上でモニタリングが必要か否か」を議論する前に、「この品目の安定性ってどのくら」と思うのが普通であり、それこそがリスクベース・サイエンスベースの考え方なのでは?
 
前者のような発想では、「GMP要件として記されていればやるけど、そうでないならやらない」といった非科学的な“見せかけのコンプライアンス”になってしまいますよ。
 
興味のある方は、下記URLのニュース記事をご参照ください。
https://www.gmp-compliance.org/gmp-news/no-monitoring-needed-if-there-are-no-storage-conditions-on-the-outer-packaging
 
 
ちなみに、ここで取り上げられたQ&Aは、6/11付GMP Platformトピック「EMAGMP/GDP Q&A集のアップデート(2018611日付)」の中のQ&Aの1つです。
 

執筆者について

古田土 真一

経歴

GMDPコンサルタント(Pharmaceutical Quality Science Advisor)

1979年より田辺製薬(株)(現田辺三菱製薬)にて合成探索研究、プロセス・工業化研究、CMCプロジェクト開発、治験薬QA、コーポレートQAを歴任。2008年より武州製薬(株)にてQA/QCの管理監督。2009年より中外製薬(株)にて治験薬・医薬品のQA業務・品質システムを改革推進。2013年よりアステラス・アムジェン・バイオファーマ(株)にてCMC・Supply Chain・QAの長として業務構築。2015年より三井倉庫ホールディングス(株)にてヘルスケア製品の事業開発アドバイザーとして業務構築。2015年9月より (国立研究開発法人) 国立精神・神経医療研究センター/トランスレーショナル・メディカルセンター臨床研究支援部アドバイザーとして医薬品開発を、また2022年11月からジェダイトメディスン(株)の品質アドバイザーとして医薬品上市を支援中。
医薬品の開発から上市・保管・流通までを品質の側面から一貫した経験を活かし、GMDPコンサルタントとしてGood Practicesの支援依頼に対応中。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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