【第13回】マイナスからはじめる生物統計学
対応のある(関連のある)ノンパラメトリック検定
1.Wilcoxonの符号付き順位検定(Wilcoxon’s Signed-rank test)
前回に引き続き、同じ人(個体)から得られたデータに関するお話です。10人が半年間ダイエット食品を接種したときの体重の変化を見ることで、ダイエット食品の効果の有無を見るというのが、第12回のお話でした。前回の注釈にも記載しましたが、正規性が認められないようなデータ、もしくは最初から5段階などのカテゴリデータの場合には、基本的に対応のあるt検定(パラメトリックな方法)を用いることは推奨されません。そこで用いられるのが、ノンパラメトリックな手法である「Wilcoxonの符号付き順位検定」です。こちらは、対応のないノンパラメトリック検定法「Wilcoxonの順位和検定(Wilcoxon’s rank Sum test)」の提唱者である、Frank Wilcoxon(1892-1965)により提唱された手法です。この手法には色々な呼び方があり、教科書によっては「Wilcoxonの符号付き順位和検定」「Wilcoxonの符号順位検定」…等々ございますが、少なくとも英語では上記の1種類しかございません。筆者も勘違いを避けるために、通常の講義でも連載第11回でも、対応の無い検定は「Mann-Whitney」、対応のある検定は「Wilcoxonの符号付順位検定」と言い続けております。とりあえず下記の表1にまとめましたので、勘違いの無きよう…。
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