エッセイ:エイジング話【第54回】

できる限り近づく

 痛たまれない事故が続きます。2023年5月に神奈川県相模原市にて信号のある交差点で自転車の学童がトラックにひかれました。トラックの運転手(50歳代)は左折しようとし、歩道を直進する自転車を発見できなかったとニュースが伝えました。
 左折車に対して、大人の歩行者も時々怖い体験をします。ましてや!青信号を見て直進した学童へかける言葉が見付かりません。
・・・
 前回ここに取り上げたUPW分析精度向上から得た知見は、2017年EMAから発出されたWFI for Non distillation methodが世界中で普及する際のヒントとなり得ます。
UPW:超純水、EMA:欧州薬務当局、WFI for Non distillation method : 蒸留ではないWFI製造(Cold WFIとも呼ばれる)
 これらヒントにある共通な取り組み姿勢は、できる限り簡素なプロセスとすることに尽きます。またできる限り連続操作を心掛けました。できる限りは曖昧な対応と認識されますが、汚染されないでWFIを維持することは困難であり、ここは大事な姿勢だと感じます。
 右か左かを決める指示や一線を引いた設定数値は、多くの人に納得され易いですが、ことWFI汚染防止に係わると、二者選択でなく少しずつ前進するここへ踏み込んでしまった体験からの感想です。控え目に言うと、これは先人達が取り組まれた汚染防止を、次世代へ中継する役目でもあります。
 できる限りという取り組みはバリーデションにおいても、WFI汚染防止に係わると大事な視点だと思います。一見厳密性が求められるバリーデションに於いてもできる限りは必要な姿勢です。


 1つ例を挙げると、WFI配管勾配を1/50.0以上と3桁で決めたとしましょう。現実にSIP(Steam in place)工程中にある水抜き工程では、仮に検証結果が1/50.4だったとしても、±1.0%未満の許容値オーバーは実用上許容できる範疇となります。
 なぜなら、筆者はSIP工程中で水抜きする目的と操作上に許容できる時間を把握しているからです。ところが、検証する立場人はデータ数値からのみ規定値内外を判断する役割だからです。

 

 

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