エッセイ:エイジング話【第41回】

二つより選ぶのは、難しい
二つより選ぶときの礎はいずれに価値を見出すかです。世界を二分するような事態での大きな選択に際し「何に重きを置くか」を問います。国の存在意義にも根ざす、大事な価値観が問われる節目に遭遇しました。
私は国会議員を選ぶとき、政党の価値観「何に重きを置くか」を問います。父は学徒出陣で従軍しましたから、自らの価値観を問う余地はなかったのでしょう。私は戦後に生まれ戦前とは異なる価値観に根ざす教育制度の創成期に育ちました。
この制度下で強い主張はせず、仲良く横並びで暮らすことが暗黙にある価値観だったと振り返ります。
学徒出陣:第二次世界大戦終盤1943年に兵力不足を補うため高等教育機関に在籍する20歳(後に19歳)以上の文科系学生を在学途中で徴兵し出征させたこと
横並びは平等理念に端を発しますが、外見や考えが異なる人を排除してしまうことも、自身の子供の頃からありました。後に、京都府舞鶴港から母国へ帰国された同級生をいじめた苦い体験も記憶に残ります。

狭い日本列島でも、北の青森と南の鹿児島では寒さ暑さに対する感覚、言葉への感覚が異なるのに、標準語を普及させれば意思疎通できるという思い込みが大勢となり、方言の礎にある価値観の違いは昭和の時代に廃れました。
コンビニへ行くと、飲み物から総菜マスクに至るまで売れ筋商品が前面に並び、あれこれ選ばなくとも直ぐに手にできます。
ところが外食では、とんかつラーメンのような洋食か中華かを区別できないメニューも定着しました。宅配専門サービスに頼めば、ステーキハウスからも鰻屋からも一度に配達してもらえる時代にもなりました。
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