エッセイ:エイジング話【第40回】
もう一人夏彦さん
これまで二人の夏彦(なつひこ)さんと出逢いがありました。
その一人は、二十代の頃に中公文庫で「職業に貴賤がある」と書かれた本を読み驚いた山本夏彦氏です。
もう一人は、神奈川県の海浜旅館茅ヶ崎館で偶然出逢った陶芸家速水夏彦(はやみなつひこ)氏です。今回は茅ヶ崎市と常滑(とこなめ)市で遭遇した出来事を綴ります。
茅ヶ崎館(ちがさきかん):神奈川県茅ケ崎市にある旅館で映画監督小津安二郎(おづやすじろう)氏が定宿としたことで知られる。
茅ヶ崎館を会場に開かれた神奈川県在住作家の工芸展を訪れたとき、作品をゆっくり観察していると、白髪の小柄な方から「気に入りました?」とお声がかかりました。展示台に大きな壺があり、壺の横に江崎一生(えさきいっせい)氏に師事との陶歴が示されておりました。
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