通訳あるあるネタ【第37回】

2021年を振り返って

2020年は、2月末の出張案件がキャンセルになったことを皮切りに、出張案件は夏まですべてキャンセル、リモート通訳のみという異例の年でした。2021年もCOVID-19の影響は残っていましたが、2月にFDA査察官が二週間の隔離期間を経て実地査察を行うと、バックログ解消に向けてinvestigatorやreviewerが来日するようになりました。ワクチンを二回接種し、出国前と帰国前を含めた複数回のPCR検査を行い、二週間のホテル隔離後にマスク着用で査察を行うという万全の体制です。2週間の隔離期間後に2週間の査察を行うと家族から4週間離れることになるので、以前より負担が増しているようです。

当局査察でリモート通訳をした経験は個人的にはありませんが、グローバル監査やベンダー監査は、ハイブリッドを含むリモート監査の導入が進んでいます。ハイブリッド監査では国内在住の日本人または外国人auditorがサイトツアーを行いますが、完全リモート監査ではカメラを駆使したバーチャルツアーになります。バーチャルツアー時の通訳は、最近はほぼ会議室で行います。SME (Subject Matter Expert:説明担当者)と通訳者が会議室、現場の担当者は更衣をして待機、auditorのリクエストに応じて機器IDや校正証をカメラで見せるというやり方が効率的です。

GMPの査察や監査が延期になっている間、病院の国際認証に関するリモート通訳をする機会がありました。医師、看護師、施設の3チームに分かれて病院の隅々を監査するのですが、特に施設チームの監査ではラボ(検査室)、サプライチェーン、院内の清掃・洗浄・消毒、設備・機器の予防保全などGMPのスピリットと重なる部分が多く、勉強になりました。特にProficiency Test(外部精度管理)とPOCT(Point of Care Testing:臨床現場即時検査)機器の管理は学ぶことが多かったので、共有します。
 

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます