食の文化と音の文化【第2回】

 1回は「食の文化」と「音の文化」の共通点、私の音楽への触れ合いについて記載したが、第2回では私の料理との原点となったタイスキとタイでの思い出について記載する。
 
3. タイ料理「タイスキ」との出会い 
 私は子供の時から料理をするのが好きであった記憶はない。ただ、我が家は8人家族時代が長く、子供の時から食事の手伝いをさせられていた記憶はある。例えば、木型にご飯を入れて、俵むすびを作るといった程度のものではあったが。
 私が自分自身で料理と称するものに目覚めたのは、1980年代の後半だった思う。ちょうど当時の業務の都合でタイに出張が続いた頃に知った料理を、その後帰国した時に真似をしてみたことがその始まりである。それは「タイスキ」とも「タイシャブ」とも言われるタイの鍋料理である。タイとはタイのことで、鯛をさすのではない。スキはすき焼きからきた名前で、シャブはしゃぶしゃぶからきた名前である。いずれの名前も中身は同じものである。最近では日本国内にもいくつかのタイスキレストランがあるが。当時の私の知識では日本国内には存在したかはわからなかった。暑い国において、クーラーの効いたレストランで熱い鍋を食べるのは、タイ人にとっては最高の贅沢であり、当時この種のレストランは急激に流行した。
 もう今や有名な料理であるが少し説明すると、いわゆるホーコー鍋にスープと各種の具が入っており、個人ごとにスープに辛いタレとパクチ(香菜またはコリアンダーとも言う)を入れ、具を入れて食べる。日本人の約半数はこのパクチが嫌いであり食べられない。ただし残りの半数はパクチを非常に好きであり、両極端に分かれているのも面白い現象である。タイ料理にはパクチは切っても切れないものである。ちなみに私は大好きグループに入り、タイではいつもパクチのお代わりをする人種である。このパクチを当時は国内でなかなか入手困難で、私は神戸の中華街の八百屋で入手していた。
 タイスキに話を戻すが、私はこの料理は日本人の口に合うと思い、家族や友人に食べさせてあげたいとチャレンジした。特にパクチのダメな方は、パクチ無しにすればよいことで、辛さも個人の好みに調整できる。このスープは誰も教えてくれず、私は鶏ガラから作ることにした。豚でもよいが、日本人には鶏ガラの方が良いとした。次に中に入れる具であるが、日本の寄せ鍋と同様に何を入れてもよいが、特徴的なのは擦り身である。私は、エビと鱈の擦り身(混合しない)、鶏ミンチ、豚ミンチを団子状に丸めて鍋に入れる。また手製の餃子も具の一つである。野菜類は入手できるものでいいでしょう。白菜、青梗菜、小松菜、もやしなど、鍋料理に使える野菜なら大丈夫である。本場のものは、他にシーフッドからビーフン、麺など盛り沢山である。ビーフン(タイ製を使用する)は予め茹でて各自専用の網の中に入れて鍋に入れる。本場でもこの網が使われており、こうすればビーフンが鍋の中で逃げていかないので便利である。現在、我が家では最大12人のパーティまで可能なようにこの網をそろえている。(写真1)

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