業界雑感 【2021年9月】

2021/10/01 その他

コロナ禍における現状。

 2020年度に医療機関に支払われた概算医療費は速報値で前年度比3.2%減の42兆1648億円だった。新型コロナウィルスの感染拡大で、感染を懸念した医療機関への受診控えやマスクの着用・手洗いの定着などでインフルエンザ患者が激減したことも影響しているという。コロナ禍以前には、必ずしも必要性が高いとは言えない患者が、安易に医療機関を訪れる「コンビニ受診」とか「お年寄りサロン」と呼ばれる受診があったのも事実だろう。コロナウィルス感染患者を受け入れた病院だけでなく、多くの医療機関の経営が厳しくなっているとのことだった。今年に入って第3派、第4派、第5派と昨年以上の感染拡大の波が起きているにもかかわらず、こういった医療機関の経営の話題があまり聞かれないのは、国や自治体からのそれなりの手当がされつつあるのか、さらなる感染拡大による受診増やワクチン接種の対応等でそれなりの収入が確保されているのかとも思う。いずれにしても緊急事態宣言は解除されたとはいえ、医療現場はまだまだ大変な状況が続いている。そういった医療機関や福祉分野で働く方も含めて、生活必需品を扱う事業所で働く方など、人々の日々の生活を維持するために不可欠な仕事に従事されているいわゆる「エッセンシャルワーカー」の待遇や報酬の改善について、あまり議論がされている様子がないことはいささか残念でもある。

2ページ中 1ページ目

執筆者について

村田 兼一

経歴 村田兼一コンサルティング株式会社代表取締役。
1978年藤沢薬品工業(現アステラス製薬)入社。注射剤製造、無菌バリデーション技術開発、FDA対応、基幹システム(SAP)開発等に従事後、生産本部にて中期戦略企画、工場分社化推進・合併準備委員会に携わる。合併後のアステラス製薬では、戦略企画の後、製造委受託の推進を担当する。
2012年に退社し、村田兼一コンサルティング株式会社設立。工場の原価をはじめとする計数マネジメントを中心に、SAP開発を含むサプライチェーン全般の管理・改善を専門とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

72件中 1-3件目

コメント

この記事へのコメントはありません。

セミナー

2025年7月2日(水)10:30-16:30~7月3日(木)10:30-16:30

門外漢のためのコンピュータ化システムバリデーション

2025年8月21日(木)10:30-16:30

GMP教育訓練担当者(トレーナー)の育成

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

株式会社シーエムプラス

本サイトの運営会社。ライフサイエンス産業を始めとする幅広い産業分野で、エンジニアリング、コンサルティング、教育支援、マッチングサービスを提供しています。

ライフサイエンス企業情報プラットフォーム

ライフサイエンス業界におけるサプライチェーン各社が提供する製品・サービス情報を閲覧、発信できる専門ポータルサイトです。最新情報を様々な方法で入手頂けます。

海外工場建設情報プラットフォーム

海外の工場建設をお考えですか?ベトナム、タイ、インドネシアなどアジアを中心とした各国の建設物価、賃金情報、工業団地、建設許可手続きなど、役立つ情報がここにあります。

※関連サイトにリンクされます