ゼロから学ぶGMP【第5回】

GMP省令の記載事項(続き)
5-2 2 医薬品製造業者等の製造所における製造管理及び品質管理
 2章は第1節から第5節で構成されていますが、根幹をなすものは第1節の「通則(第4条から第20条)」で、これを理解することがGMPの基礎を学ぶことになります。因みに第2節は「原薬」、第3節は「無菌医薬品」、第4節は「生物由来医薬品」について記述されており、第5節は雑則となっています。また再生医療についてはGMP省令と横並びの規制としてGCTP省令(Good Gene, Cellular, and Tissue-based Products Manufacturing Practice 「再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準」)が2014年11月に制定されました。再生医療等製品といえども医薬品を製造する基本概念、すなわちGMPの思想は特に異なることはありませんが、ここでは再生医療等製品については特に触れません。

5-2-1 製造部門と品質部門(第4条)
 ここでは、医薬品医療機器等法に基づき製造管理者を置くことを求めています。生物由来製品や再生医療等製品における製造管理者は別扱いであることは第2回目に述べた通りです。ここでの主眼は製造管理者の監督の下に製造部門と品質部門を設置するように求めている点です。この事はPIC/Sでも同様で多少表現は異なりますが、医薬品GMPの最初に「GMPは製造及び品質管理の両方に関係している。」としてGMPの基本要件について述べています。
重要な点は第2項で述べられている次の事項です。「品質部門は、製造部門から独立していなければならない。」これは製造部門の作業とは独立して品質に関わる評価を行うべきとの考え方に基づいて、これまでの苦い経験から定められているものと推察されます。これまでにも述べてきたとおり、医薬品の品質を常に確保していくためには、定められた手順をしっかり守っていくことが不可欠の要素です。最終製品が承認規格に適合しているからOKという問題ではありません。製造部門の作業が適切に実行され、記録されていることを製造部門から独立した第三者が確認することが必要との考え方です。この事は重要なことですのでPIC/Sでも第6章「品質管理」の原則の中で「品質管理が製造から独立していることは品質管理の満足すべき業務に必須であると考えられる。」とあり、また同章の全般的事項6.1の中で「製造許可の保有者ごとに品質管理部門を有すること。当該部門は他の部門から独立しており……」と記載されています。
 

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