業界雑感 【2020年5月】

 衣食住とは「寒さをしのぐための衣」「飢えをしのぐための食」「雨露をしのぐための住」であり、人間が生きるうえで最低限必要な生活条件と言われている。普段生活をしている中でほとんど意識することのないこの三条件だが、新型コロナウィルス感染症拡大防止のための自粛生活を続けてきて、栄養が偏らないようバランスも考えながら食べていけることに、雨露をしのぐ家があることも含めてむしろ感謝しながら暮らしてきた毎日である。
 「衣食住」にはそういった生物的な意味とは別に、社会的な意味合いでの条件もあるという。ビジネスの場面でもプライベートの場面でも、食事をとりその時間をともに過ごすことで、良好な関係を築いていくことが社会生活の第一歩となる。そのためには身に着ける衣服についてもTPOに合わせて選択していくことが重要になる。ところがその社会的な意味での「衣食住」の重要性は新型コロナウィルスによって崩壊させられてしまっている。パリッとスーツを着ることもなく、まして着飾ったりする必要も全くない暮らしをこの数か月送っている。春先はまだ寒い日もあったりして、何か身に着けてとりあえず寒さだけはしのいできた。外出自粛を強く要請されておりStay Homeを続けている中では、5月に入り暖かくなってきて時間もあるのに衣替えさえする気にもなれず、冬のコートがまだ出たままになっている。誰に見せるわけでもないので寒ささえしのげればいいと考えれば、清潔で暖かければそれでよいのである。自宅での家族との食事は別としても、食事会や飲み会だけでなく、会話をしながらの昼食さえ感染リスクがあるといわれているのだから、社会的な意味における「衣食住」など何の意味もない生活を送ってきた。

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