パルスドキセノン光殺菌・滅菌装置について


記事投稿:岩崎電気株式会社
 
 1.光殺菌について
 光の殺菌作用が、1901年に太陽光線に含まれる紫外線(以下、UVという)によることを確認したといわれてから1世紀が経過した。この殺菌に有効に寄与する光は図1のとおり200~300nmのUV光である。この光は、太陽光線がオゾン層により吸収されるので、自然には存在しない。しかし、現在、光殺菌はこのUVを発生させるランプにより一般的な殺菌方法として利用されるようになっている。このUV殺菌用光源として、熱殺菌では変形してしまうようなプラスチックなどの殺菌や薬剤殺菌のような薬剤の残留性の心配がいらないなどの特長から、低圧水銀ランプや最近では高圧水銀ランプが使用される。
 しかし、殺菌効果を確認する場合、スポットされた菌濃度の高い条件で試験されるので、菌同士の重なりから光エネルギーを多くしても菌の生残率が低下してこない(クランプ)現象が発生する。そのため、UVによる殺菌は食品、医療分野では保険的な考え方が一般的になっていた。
 ところが、今回紹介するパルスドキセノン殺菌装置はその考え方を180度変えさせた。本装置は従来の低圧水銀ランプの1000倍以上の高いUV照度を発光させる事から、菌濃度が高くても放射線滅菌と同じ様にクランプ現象がなく滅菌が可能である。


図1 UVの波長別殺菌効果[JIS Z 8811]
 

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