業界雑感 【2019年7月】

2019/08/02 その他

  半導体材料など戦略物資の輸出管理を巡り、韓国との対立が続いている。出口が見えないばかりか、今後さらに規制を強めることも視野に入れているとのことで、半導体以外の業界でも先行き不安が広がりつつあるという。
 今回の輸出管理の変更対象となった半導体材料に関しては、日本が原材料を輸出し韓国が製品化する、という取引構造なので、原材料の調達が煩雑となってサプライチェーンが滞ることになれば、一義的に困るのは韓国ということになる。医薬品業界の構造は逆で、原料である原薬について2000年代以降、特にジェネリック医薬品の使用促進が謳われるようになってからは、韓国・中国からの輸入依存度を高めている。いろいろな分類があるがその中でも、ジェネリック医薬品で「輸入した原薬をそのまま使用する品目」については、品目数、金額ともに50%近くが輸入原薬であり、その輸入先は韓国が最も多いのも現実である。厚労省はジェネリック医薬品の使用促進策を進めるにあたって、安定供給を確保するために業界に原薬の調達経路の複数化(ダブルソース化)することなどを求めてきた。実際にダブルソース化の比率は2013年度の28.6%から18年度には42.7%にまで上昇しているとのことである。

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執筆者について

村田 兼一

経歴 村田兼一コンサルティング株式会社代表取締役。
1978年藤沢薬品工業(現アステラス製薬)入社。注射剤製造、無菌バリデーション技術開発、FDA対応、基幹システム(SAP)開発等に従事後、生産本部にて中期戦略企画、工場分社化推進・合併準備委員会に携わる。合併後のアステラス製薬では、戦略企画の後、製造委受託の推進を担当する。
2012年に退社し、村田兼一コンサルティング株式会社設立。工場の原価をはじめとする計数マネジメントを中心に、SAP開発を含むサプライチェーン全般の管理・改善を専門とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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