医薬原薬の製造【第8回】

2015/02/16 原薬

 今回からは、溶媒による環境汚染防止について議論したいと思います。以下3回にわけて議論を進めて参ります。

 第8回 溶媒による環境汚染のメカニズム
 第9回 溶媒の排出規制法令
 第10回 環境への溶媒排出抑制

 第8回では、溶媒が環境中に排出された場合、溶媒がどの様に変化し、環境にどういう影響を与えるかについて議論します。第9回では、日本の溶媒排出規制について述べます。第10回では、環境への溶媒排出抑制方法について議論します。
 

8 溶媒による環境汚染のメカニズム
 溶媒を大気や水系に放出した場合、溶媒は環境にさまざまな形で影響を及ぼします。塩素系溶媒のように、水系や土壌でほとんど変化を受けず徐々に環境汚染が進んでいく場合もあります。また、大気中で空気中の酸素や光によって溶媒が化学反応し、大気汚染物質を作り出していく場合もあります。今回は、溶媒がどのような形で環境汚染を引き起こしていく可能性があるのかについて議論したいと思います。以下の4章に分けて議論を進めて行きます。

 8-1 オゾン層破壊
 8-2 地球温暖化
 8-3 大気汚染 PM2.5と光化学スモッグ
 8-4 水系への排出

 

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執筆者について

森川 安理

経歴 アンリ・コンサルティング 代表。
大学修士課程で有機化学を専攻後、1977年旭化成工業(株)入社。スクリーニング化合物の合成、プロセス化学研究に一貫して従事。この間薬学博士号取得。その後、医薬原薬の工場長を10年経験。工場長として、米国、イタリア、豪州、韓国の当局の査察および、制癌剤を中心にする治験薬の受託生産を経験。旭化成ファインケム(株)を2013年2月末退職。2013年3月より現職。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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