QCの役割を徹底理解【第1回】

 「QCの使命は何ですか?」と質問されどう返答されますか?多くの製造所のQCを見てきて思うことは、QC=試験と思っている人が多いことです。日局などの公定書、あるいは製造販売承認書の試験、SOPに規定されている試験を行うことが使命だと思っているのではないかと思うことが度々ありました。

 決められた試験方法に従って試験をすることはとても重要です。そのための分析バリデーションや標準品&試薬管理、分析機器のキャリブレーション、試験者の教育訓練/認定など、正しいデータを出すために必須です。しかし、試験結果をだすことは目的ではなく手段です。原料・資材の試験であればそれが適切かどうか、製品の出荷試験ならロットは問題ないかを評価するために試験を行っています。

 例えば、製品のサンプリングを製造現場に任せている製造所も多いのではないでしょうか?もし、現場でサンプリングした製品に異物が付着していたり、外観が少し汚れていた場合、それをQCに渡すでしょうか?渡してしまうお人好しが本当は素晴らしい人なのですが、多くの場合は別の”良いもの“を選んでQCに渡しているのではないでしょうか?なぜなら、汚れていたものをQCに渡すと、”全数検品“になる可能性が高まるからです。製造現場でのサンプリングは製造現場でのフィルターがかかるということをしっかり認識しなければなりません。

 別の製造所では、製造時に仕込み間違いをしました。正直にサンプリングすると2ロット不適合になります。その製造所では製造現場がサンプリングしていました。仕込み間違いを起こし、SOPに従ってサンプリングすると2ロットが不適合になるので、良いロットからサンプリングしてQCに渡しました。その結果、適合したため出荷しましたが、それが収去が発端で不正として発覚しました。不正を行った人が悪いのはその通りです。しかし、人は魔が差して悪いことをしてしまうことがあります。GMPは性悪説で仕組みを構築します。すなわち悪いことをしようと思ってもできない仕組みが必要となります。そのため、GMPでは製造と評価を分けています。

 評価はサンプリングから始まっています。ロットを代表していないサンプルを完璧に試験してもまったく意味がありません。ロットの均質性や製造方法、作業方法を十分に把握していないと適切なサンプリングはできません。QCの使命、評価においてサンプリングは評価の第一歩であり、とても重要なQCの“魂しい“の部分と言っても過言ではないと思います。その部分を現場に任せていると、GMPの基本が出来ていないと思われてしまいます。もし、サンプリングを製造現場ではなく、QCが行っていたら、その製造所は犯罪者(SOPと違うことを意図して行うことを”犯罪”と筆者は読んでいる)を生まなかったのです。責任者群がGMPの本質を理解していれば起きない問題でした。

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