弊社(医薬品卸)におけるGDP/QMS(品質マネジメントシステム)としてのSOP整備への取り組み

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●要旨

本邦においては、2014年PIC/S加盟以降、厚生労働科学研究の分担研究として日本版GDPガイドラインの作成が粛々と進められる中、昨年の偽造品流通問題において、あらためてその重要度についてクローズアップされたと認識しております。
情勢の変化を受け、弊社がどのように取り組みを進めているかについて、ご紹介させて頂きます。

 
●はじめに

弊社のみならず、医薬品卸売業では、薬機法(医薬品医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)をベースにJGSP(Japanese Good Supplying Practice 日本医薬品卸売業連合会の自主基準)のもと品質管理等に取り組んでおり、また日々の業務については、各社で作成されたマニュアルなどをもとに活動されていると思います。
自身も、大阪におけるセンター(ALC)の立ち上げから運営に至るまで責任者として携わりながら、マニュアルをバイブルとして差配する社員・実務作業者への教育に従事しておりました。
その後ロジスティクス本部に配属となってから、全国6箇所(当時)の各ALCの運営状況についての支援を行ってまいりました。お得意様中心の様々な取り組みから一歩外に目を向けた時「GDP」という言葉に触れる機会を得、また時を同じくして知人からGDPの重要性をレクチャーいただき、「将来を見据えた時、弊社として取り組むべき」との思いに至りました。

 
1. 気付き 株式会社シーエムプラス様との出会い

「弊社として取り組むべき」との思いに至りましたが、正直なところ「GDP」についての知識が浅く、株式会社シーエムプラス様にご教示頂きながら進めることといたしました。
まず初めに、ALCにてマニュアルなどの書類・ハード・作業状況などの実体を確認しながらのGap分析を行いました。
コンピューターでの管理、ロジカルで合理的なシステムなど評価いただく中で、浮き彫りとなった課題が文書体系の確立(SOP)でした。
「はじめに」でもご紹介させていただきましたが、自身センターを運営する中で核となるマニュアルには自負するものがあり、事実新任作業者の教育についてもマニュアル通りに行えば何ら問題はありませんでした。
また、何よりもマニュアルの良さを証明する出来事もありました。
東日本大震災の折、関東圏でも様々な影響が出ましたが、幸いなことにALCは震度6でも耐えうる免震構造・自家発電装置を備え無事でした。しかし震災によって普段よりも膨らむ物量に対し、マニュアルをもとに教育した実務作業者だけでは作業を行う人数が足りない状況となり、結果作業をしたことがない社員(営業担当者など)がぶっつけ本番で応援作業にあたることになりました。
その時に威力を発揮したのがマニュアルであり、なんと数日間にわたる多人数の応援作業の中でも出庫ミスが発生することは無く、それだけマニュアルの精度が高かったことの証明であると思っています。
Gap分析の中でも、業務基準書・マニュアル・フローのいわゆる3点セットについて評価をいただきましたが、あくまでも実務主体の作業手順であり、文書群が体系化・系統化されていないとのご指摘を受け、気づきのレベルを超え衝撃を受けました。

 
2. メーカー様の期待

スペシャリティー医薬品が販売され、温度帯など今まで以上に厳格な管理が求められております。弊社においても-190℃の超低温から全温度帯を網羅する仕組みを構築してまいりました。しかし特に欧州を中心とした外資系メーカー様では、Eudra GMDPのような法的地位を有する正式なレギュレーション、国際協定としての位置づけであるPIC/SGDPへの対応などが求められ、設備(ハード)の整備だけでなく手順書(ソフト)の整備も要求されるところです。
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