エッセイ:エイジング話【第47回】

リトルターン

 絵本リトルターンを知っていますか? 突然飛べなくなった小鳥の生末(いくすえ)話が、ほのぼのした挿絵とともに進みます。もし、普段にできたことをある日突然できなくなり、かつて体験したことのない未知へ一鳥(ひとり)で放り出されたら、「どう生きてゆこうか?」考えさせられる怖い話が展開してゆきます。
 トラットリア・リトルターンというカジャアルレストランが、神奈川県のJR平塚駅南口から海へ向かう途中にあり、通っている内にリトルターンと題する絵本がなにげなく置かれておりジューシーなパスタが運ばれる間に見付けました。この絵本が好きな店主がレストラン名にしたと聞きました。


 図鑑:日本の野鳥(山と渓谷社1985年刊行)でリトルターンを調べると、チドリ目/カモメ科の渡り鳥で日本にも本州以南に夏鳥として渡来するとあり、和名をコアジサシと記述があります。
 下に貼った写真のように、空中から垂直降下ダイビングで小魚を捕らえるのが得意ともあります。繁殖期には広い川や海岸に棲息しコロニーをつくり、人・イヌ・カラスが近づくと、多くの個体が相手に対し激しく鳴きながら空中を飛び交い集団防衛の性質があるとも記述があります。


 この図鑑の説明から、突然飛べなくなったリトルターンが、普段の群れから離れぼくひとりがこの先をどう生きるのか?心配性の私は他人(他鳥)ごとでなくなりました。
 ぼく:体長26cmくらいの鳥の生末を、エイジングにより自らへも降り掛かる筈であろう災難の数々を案ぜずにおれません。この災難は私ばかりでなく、子供が成長した親世代・現役リタイア世代にも当てまるかも知れません。
 ましてや、加齢で介護を受ける側となると、華麗な変身が必要だ!と駄洒落を言っている場合ではなく身に浸みるこの頃なのです。
 一方、加齢を痛感しない人達もおられ、それなりに幸せだろうと思う反面もありますが、周りにいる人は困っている、ここは老害発言(エイジング話第39回)で取り上げましたね。

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