【第5回】CSVからCSAへ データインテグリティも踏まえたFDAの新ガイダンス動向

使用目的の明確化
本ドラフトガイダンスにはいくつかの留意すべきキーワードがあり、その一つ目は第Ⅴ章A節のタイトルに含まれる”the intended use”(筆者はここで「使用目的」というICH Q9における訳例を使用するが、従来から「意図的使用」、「意図した使用」等が使われることもある。)である。汎用の市販ソフトウェアにおいては、例えばMicrosoft Excelが、ある組織の次年度予算計画策定のための試算に使用されることもあれば、出荷判定のために用いられる試験項目の個々の試験結果値の平均・標準偏差値の算出に使用されることもあるように、たとえ同じソフトウェアであってもその使用目的によって品質保証上の取り扱いを大きく変える必要が出てくることは、容易に理解できる。
そこで、第Ⅴ章A節では『バリデーションの要件が適用されるかどうかを判断するために、製造業者はまず、当該ソフトウェアが生産または品質システムの一部として使用されることを意図しているかどうかを判断しなければならない。』とし、さらに、使用目的が直接的なものとそうでないものに区分している。
 

○ 生産または品質システムの一部として直接使用されるソフトウェア
 • 生産プロセス、検査、試験、または生産データの収集と処理の自動化を目的としたソフトウェア
 (筆者理解では、例えばSCADA、MES、CDS、LIMS、およびERPの一部のモジュールが相当)
 • 品質システム処理の自動化、品質システムデータの収集と処理、または品質システム規則に基づいて確立
   された品質記録の維持を目的としたソフトウェア(筆者理解では、例えばQMS、DMSが相当)

○ 生産または品質システムをサポートするために使用されるソフトウェア
 • ソフトウェアシステムをテストまたは監視する開発ツールとしての使用を意図したソフトウェア、または
   スクリプトの開発および実行に使用されるものなど、生産または品質システムの一部として使用される
   ソフトウェアのテスト活動を自動化するソフトウェア
 • 品質記録の一部ではない一般的な記録管理の自動化を目的としたソフトウェア

そして、どちらの種類のソフトウェアも、21 CFR 820.70(i) に基づいてバリデートされていなければならないが、「サポートするために使用されるもの」は低リスクとなることが多いため、リスクに基づくコンピューター・ソフトウェア・アシュアランスアプローチでは、安全性を損なうことなく、それに応じてバリデーションの労力を減らすことができるかもしれないとしている。
一方、一般に生産または品質システムの一部として使用されるとは見なされずバリデーション要件は適用されないものとして以下を挙げており、これらは当然の認識であろう。
 • 電子メールや会計アプリケーションなど、一般的なビジネス処理または業務の管理を目的とした
   ソフトウェア
 • ネットワークや運用の継続性など、生産または品質システムに固有ではないインフラストラクチャを
   確立またはサポートすることを目的としたソフトウェア
 

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