医薬品工場に求められているHSE要件と事例【第26回】

2022/04/22 品質システム

佐野 旭

BCMでサプライチェーンをAuditする目的とは。

「BCMでサプライチェーンをAuditする目的」

1、  製薬企業のあるべき姿

製薬企業の国際化が進む中、企業の多様化を配慮した対応力のある製薬企業が勝ち組として存続できる時代に突入しました。世界は感染症が拡大し、ロシアとウクライナでも死亡者が毎日発生していることに慣れてしまい特別なことであるにもかかわらず他人事のようになっていることの怖さが今の日本の文化です。マンネリ化と目の前の対応に追われて日々を過ごしてはいませんでしょうか? 

これらは他人事ではありません。

では毎週のように地震が国内で発生し、どうやら海外の国が原因でサイバー攻撃もどんどん激しくなって来ています。ご存知のようにそれぞれの災害毎に一部の企業活動に影響が出てきています。次はあなたの医薬品製造工場に影響が出ても何の不思議もありません。この社会情勢の中で企業が存続してゆくのに工夫なしでは容易なことではないことは誰でも感じておられることと思います。では、どんな工夫や対策を実施してこれから発生するだろう自然災害や人的災害に対応する準備をBCMで構築されているでしょうか?今、問われているのはBCM運用はもちろんのこと、委受託会社、原料副原料供給会社、資材供給会社、運送会社をはじめとする関係会社を取り込んだBCMでなければ、有事の際に生産活動を再開継続することに対する担保とはなりません。このサプライチェーンが国内のみとは限らないのが近年の国際化多様化による企業の生産活動の現状ではないでしょうか。国内でのみ必要なBCM運用のプログラムを使用していては企業活動リスクがまだまだ大きいと言わざるを得ません。 

BCM ビジネス継続マネジメントシステム 

GMP患者様の安全   HSE: 従業員の健康安全を守る


国際化多様化は今や海外の話ではなくなりました。国内企業の海外企業との間で業務提携や委受託、原料供給、副原料や資材の供給などは当たり前のように行われています。グローバル企業はすでに必要なBCM対応を多かれ少なかれグローバルスタンダードで運用してきています。国内企業もグローバルスタンダードでサプライチェーンを巻き込んだ運用をせねばなりません。
 

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執筆者について

佐野 旭

経歴

外資系医薬品会社に入社後、建設プロジェクトや設備保全などを担当し、また関連会社においては、医薬品の検査・包装にも携わりました。その後は工場のHSE Managerとして工場長と共にHSE Global Standardの社内への浸透をさせるべく事業所内教育に力を注ぐ傍ら、たびたび海外の事業所へAuditに出かけてHSE Global Standardの重要性を身をもって学びました。
M&Aが始まり7回の会社統合を経験し、そのたびに工場閉鎖が発生し、その環境影響評価と土壌汚染対策を担当しました。
又、会社統合のたびにGlobal Standardが変わり、Global Standardの体質まで学ぶことになりました。
2006年に退職後、コンサルタント会社を設立し、今までの経験を生かしてHSEのアドバイザーとして、企業のHSE導入サポート、企業内教育、HSE Audit、社内教育、講演、講習会、建設プロジェクトサポートなどの仕事をさせて頂いて多くの企業様、学校、行政関係様にお世話になり、現在に至っております。

※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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