製造担当者も知るべき臨床試験の基礎知識【第2回】

 後発医薬品は、既に医薬品となっている主成分を用いて、先発医薬品とまったく同一と判定される製剤を作成し、生物学的同等試験を実施して同等と判定された製剤に対して当局から承認されるものである。
 開発費用としても、新薬では必須の、その物質に対する動物実験による有効性、安全性、薬物及び製剤に関する様々な情報等を省略し、安定性試験及び生物学的同等試験の結果を添付すれば良いのであるから、新薬の開発には100億円かかったとしても、ジェネリックでは数千万円で済むことになる。
 
 承認までに必要な作業は、以下のようになる。
 
 
・社内の開発意思の確認
 ジェネリック医薬品は、医薬品の進化に欠かせない。医薬品の世代更新に寄与し、経済的社会貢献をになうことで、存在価値がある。1つの新医薬品が承認され、開発会社にとって納得がいく薬価を取得すると、販売を通して企業利益が蓄積されていく。しかし、この状態を永久に継続することは不可能である。一定の期間が経過すると、ジェネリック医薬品が発売され、市場独占はできなくなる。更に、ジェネリック医薬品が発売されると、その先発品であった製剤の薬価も低く抑えられるため、開発型の企業の新薬開発意欲を促進する効果がある。
 このように、ジェネリック医薬品の開発は、新薬開発の活性化に繋がる。ジェネリック医薬品の開発に着手する前に、その薬剤が市場でジェネリック医薬品として存在価値があるか否かを、社会貢献、市場性、所有技術の妥当性、採算性の面から、企業意思として統一しておくことが重要である。

 

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