現場に役立つISO9000s【第3回】

"
はじめに
 JIS Q 9001:2008の条項4は、品質マネジメントシステムについて記述されており、条項4,1 一般要求事項が、条項4,2 文書化に関する要求事項が含まれています。条項4.1 一般要求事項には、品質マネジメントシステムの基本的要素の確立が求められています。「組織は、この規格の要求事項に従って、品質マネジメントシステムを確立し、文書化し、実施し、維持しなければならない。また、その品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善しなければならない」としています。品質マネジメントシステムの基本は、前回に、プロセスを基礎とした品質マネジメントシステムのモデルで、顧客、法令・規則並びに自社設定の要求事項を満足した製品・サービスを提供することにより、顧客満足度を向上させ、かつ継続的に改善することであると解説しました。このような活動を着実に実施するために、「経営者の責任」「資源の運用管理」「製品実現」「測定、分析及び改善」が不可欠です。この一連のサイクルを確立することが、すなわち品質マネジメントシステムの確立なのです。そして、それを文書化することが求められているのですが、すべての要求事項を文書化することが求められているのではなく、規格の要求事項に従って文書化すればいいのです。文書化については詳しくは後述します。そして、この確立された品質マネジメントシステムを実施し、維持することが求められています。さらに、その有効性を継続的に改善することが求められています。
 
1.システムの有効性
 では、システムの有効性とは何でしょうか。JIS Q 9000:2006の用語の解説では、有効性(effectiveness)とは「計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度」と定義されています。すなわち、分かりやすくいえば、計画分の結果ということになります。それでは、システムの有効性とは何を意味するのでしょうか。システムの計画分のシステムを実施した結果ということで、言い換えれば、品質マネジメントシステムの計画、すなわち顧客、法令・規則並びに自社設定の要求事項を満足した製品・サービスを提供し、顧客満足度を向上させるという計画に対して、実施した結果がどうであったのか、その達成程度が、システムの有効性という意味です。達成程度を分析する方法は、色々考えられますが、顧客からのクレーム、製品・サービスの返却・回収などはその一例です。その真の原因は何かを問い、修正または是正し、改善することが必要です。品質マネジメントシステムを実施した結果を、常に、注意深く検証し、有効性を把握し、その継続的改善が求められているのです。従って、品質マネジメントシステムが現時点で行われているからよいというのではなく、将来にわたって行われる仕組みが求められており、しかも、それを継続的に改善していくことが求められているのです。
"

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます