いまさら人には聞けない!微生物のお話【第8回】

第一部 微生物の基礎編

<無駄にはならない微生物のトレビア>

冷凍食品の中で微生物は増殖するか?

微生物をはじめ生物の活動はすべて液体の水を介して行われます。 そのため細胞内まで完全に凍結した状態では微生物は増殖できません。だからアイスクリームには賞味期限がありません。シベリアの永久凍土の中のマンモスが腐らない状態で保存されているのも同じです。

凍結状態では確かに微生物の増殖は抑えられます。しかし微生物の場合、(種類によりますが)凍結状態でも死ぬことはありません。カチカチに凍っていても、常温に戻してやると、元気に活動を始めます。つまり温度という要素は、微生物にとって増殖には必要ですが、生存には必ずしも必要なものではない、ということになります。

なお冷凍食品は無菌状態ではありませんので、凍結保存中は大丈夫ですが、解けてしまうとやがて腐ってきますので、注意してください。

微生物は真空中で生きられるか?
空気は、必ずしも微生物の生存に必要なものではありません。
微生物を長期間保存する場合、しばしば凍結乾燥が用いられます。グルタミン酸ナトリウムなどの適当な細胞保護材とともに微生物菌体を凍結したうえで水分を昇華させると、長期間安定して保存することができます。もちろんこの状態では増殖はできませんが、微生物を長期間保存することが可能になります。

また真空というのとはちょっと違いますが、空気(O2)のない状態で元気に増殖する微生物は多く存在します。これらを嫌気性菌(けんきせいきん)と呼びます。有名なのではボツリヌス菌、破傷風菌、ビフィズス菌などがあります。いわゆる乳酸菌も多くは酸素がない状態で生存しています。人間や動物の腸内にはおびただしい数の微生物が生息していますが、多くは嫌気性菌といわれています。

上項の凍結もそうですが、微生物の場合、増殖と生存ではその必要条件は異なる場合があります。生命維持に深く関与している要素とそれらの増殖/生存に対する必須性を下表にまとめました。

要素 増殖 生存
必要 種類によるが、必ずしも必要ではない
空気(酸素) 種類による 不要
栄養分   必要 不要
温度 必要 不要

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