業界雑感 【2021年4月】

2021/05/07 その他

 今年の桜開花は例年に増して早かった。昔は入学式に「桜」だったのが、最近は卒業式に「桜」の印象になってきている。最近毎年同じことを言っているような気がするので、やはり地球温暖化は確実に進んでいるのだろう。4月22日に気候変動に関する首脳会議が開幕し、その中で先進国は相次いで新たな削減目標を表明している。日本は菅首相が2030年のCO₂排出量を2013年度比で従来目標の26%から大きく踏み出した46%の削減という野心的な目標を示したとのこと。環境対応などで選別を進めるESG投資が注目を集める中、企業にとってはそれを進めなければ将来像すら描けない状況へと外堀が埋められつつある。
 環境を意識した工場経営では、設備投資なども必要になり、コストがかかることを覚悟しなければならない。サプライチェーンがグローバル化する中にあっては自社だけの問題ではなく、委受託の協力会社や原材料の仕入れ企業にも同じ基準を求めることが必要になってくる。医薬品工場の競争力の指標として、環境(E)・安全(S)・品質(Q)・納期(D)・コスト(C)を総合的に見ていく必要があり、それらを支えるのが技術力(T)であるということをセミナーや講演等でも言ってきた。その中でも環境・安全については工場の操業を継続するうえでは最優先で取り組むべき課題としてきたので今更といわれるかもしれないが、時代は二歩も三歩も進んでいることを認識しなければならないようである。

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執筆者について

村田 兼一

経歴 村田兼一コンサルティング株式会社代表取締役。
1978年藤沢薬品工業(現アステラス製薬)入社。注射剤製造、無菌バリデーション技術開発、FDA対応、基幹システム(SAP)開発等に従事後、生産本部にて中期戦略企画、工場分社化推進・合併準備委員会に携わる。合併後のアステラス製薬では、戦略企画の後、製造委受託の推進を担当する。
2012年に退社し、村田兼一コンサルティング株式会社設立。工場の原価をはじめとする計数マネジメントを中心に、SAP開発を含むサプライチェーン全般の管理・改善を専門とする。
※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

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