最新情報:インドネシアの製薬業界への投資チャンス


 
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執筆:インドネシア投資調整庁
翻訳:株式会社シーエムプラス 

原文(インドネシア語)はこちら 

インドネシアに於いて今後の5年間は製薬業界を中心とする投資の拡張が期待されている。インドネシアの製薬業界は2011年から2016年にかけて毎年20.6%の成長を見込んでいる(インドネシア最大の製薬企業Kalbe Farma社2016年報告による)。その一方で、国民の一人当たりの医療費は約USD 108(約12,000円)程度で非常に低く、国際的にも126位である。
医薬品に対するニーズに関しては、年々人口増加や健康に対する意識向上の傾向に従い、一人当たりのGDPに対する医療費も増加する。その結果、国内の製薬業界の成長への影響も期待される。2015年現在、インドネシア国民の約1億5800万人(人口の約63%)が既に国民皆保険に加入している。また、国内企業の95%の従業員は既に国民皆保険に加入している。
 
インドネシア製薬業界への日本企業の投資状況
2010年から2015年にかけて、製薬業界(医薬品及び原薬)へのインドネシア国外からの投資の中で最も多い国は日本(約1.27億ドル)、次いでドイツ、米国、韓国、シンガポール、スペインの順となっている。日本からの投資はジャワ島のバンテン州、ジャカルター特別州、西ジャワ州、東ジャワ州を中心としてきた。一方で、今後の潜在的な投資開発はジャワ島以外にも、主要地域として南スマトラ州パレンバン市、南スラウェシ州マカッサル市等が挙げられる。
 
インドネシア国内製薬業界の動向
現在、インドネシア国内には239社の製薬会社が存在している。そのうちのほとんどは西ジャワ州(約39%)、東ジャワ州(約20%)、ジャカルター特別州(約15%)に所在している。国内の大手製薬会社にはKalbe Farma社、Sanbe Farma社、Kimia Farma社、SOHO社、PHAROS社、Dexa Medica社等がある。
インドネシア国内の医薬品市場に関しては、医療用医薬品が59%を占めており、残り41%はOTC医薬品である。健康に対する国民の意識が向上しているため、OTC医薬品は今後50%までに市場が伸びると予想されている。
医療用医薬品のうち、新薬(先発医薬品)が約30%、ジェネリック医薬品が70%を占めている。また、ジェネリック医薬品はブランドジェネリック医薬品及び一般ジェネリック医薬品がある。一般ジェネリック医薬品の市場シェアはまだ小さく(医療用医薬品の8.3%)、国民皆保険制度の本格的導入に従い、今後さらに拡大すると予想されている。
 
製薬業界への投資拡張における政府の支援
製薬業界への投資を促進するために、政府側は医薬品の原材料(原薬を含む)の開発に注目している。この背景には、最近5年間の医薬品の貿易バランスに於いて輸入額は輸出額をはるかに上回っているという事実がある。2015年1月から10月にかけて、医薬品の貿易収支が約1.24億ドルの赤字状況であり、その最大の理由は医薬品に使われる原材料(原薬を含む)のほとんどが海外からの輸入品であることが挙げられる。インドネシア製薬企業団体(GP Farmasi Indonesia)によると、原材料(原薬を含む)の輸入率は95%を占めている。主な輸入相手国は中国、カナダ、アメリカ等である。
 
製薬業界への投資インセンティブ
1.機械/設備及び材料の輸入関税免除
 ・機械/設備の輸入関税を2年間免除し、さらに事情に応じてプロジェクト完了まで延長可能である。
 ・2年間の生産に必要な物や原材料の輸入関税を免除し、さらに1年間分まで延長可能(合計関税免除3年間分)である。
 ・機械・生産設備の合計のうち、30%以上をインドネシア国内から調達した製薬メーカーに対しては、4年間の生産に必要な原材料の輸入関税を免除し、さらに1年間延長可能(合計関税免除5年間)である。

2.課税控除
投資控除は以下となる
 ・投資金額の30%を1年に5%ずつ投資する前提とし、6年間当該ネット金額を所得から控除する。
 ・加速減価償却と割賦弁済ができる。
 ・インドネシア国外への配当金支払いに対する所得税については10%或いは現行の租税条約に基づき、これよりも低い税率を適用する。
 ・欠損金の繰越期間を5年超10年まで可能とする。
 
  上記の所得税優遇の適用対象となるのは以下の業種である。
  医薬品原料産業分野(インドネシア標準産業分類 :KBLI 21011)
  対象となる製品/原材料名:スタチン誘導体化合物、パラ‐アミノフェノール、セファロスポリン、リファンピシン、クロラムフェニコールとその誘導体、アモキシシリン、アンピシリン、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、バイオから得られた医薬品原料、アセトアミノフェン、プソイドエフェドリン、乳糖、葉酸、アスピリン、ベンゾカイン等。

3.製薬業界への投資支援及びネガティブリストの排除
インドネシア政府は外国投資に対して積極的にサポートし、特に製薬業界に関しては外資比率を緩和するなどの動きがある。最新の規制緩和の方針は以下となる。
 ・医薬品(最終製品)製造への外資比率を最大85%まで出資可能となる。
 ・医薬原材料(原薬含む)製造への外資比率を最大100%まで出資可能とする(2016年のネガティブリスト改定中)。

その他に、投資許可申請手続きのサービスを向上するために、投資調整庁はワンストップサービス(総合窓口)を設置し、投資関係省庁への申請手続きの手間を省いている。

最後に
インドネシア投資調整庁 東京事務所のご紹介
インドネシア投資調整庁東京事務所は日本国内の投資窓口としてインドネシアへの投資の促進活動を担当している。日本企業がインドネシア国内へ投資する際のサポートや悩みのご相談を無料で受け付けている。インドネシア投資へのご理解や投資チャンス及び投資プロセスに関するサポート積極的に行う。

ご相談・連絡窓口 
連絡先:
Mr. Saribua Siahaan (東京事務所 所長)                  
Eメール: saribua@bkpm.go.id
Mr. Arismunandar (東京事務所 副所長)
Eメール: arismunandar@bkpm.go.id
 

 
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