GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第38回】
1.☑「OK & NG」「Yes & No」
GMPは、重要項目について、ダブルチェックすることを求めている。☑のようなレ点チェックでは不十分であると、「OK & NG」や「Yes & No」を使用する施設も多い。☑のようなレ点チェックは、質問事項を十分に読み込まずに記載することが起こりえる。内容を十分に理解せず、確認したと思いこむことが起こる。その作業が定例的な作業であれば、いつもと異なる点がないか確認が不十分になる。早押しクイズではないので、問題文はきちんと読み込む必要がある。日常生活においても、外出する際、家の鍵をかけたか、火の元を確認したかなど、後から不安になることがあるだろう。定例な作業ほど、記憶に残らず、チェックが不十分となる。私は、県庁勤務のころ、度々、献血をしていたが、その際、問診票に記載をしなければならないが、つい設問をきちんと読まずに、チェックを入れていた。惰性でのチェックは避けなければならない。
「OK & NG」「Yes & No」では、惰性のチェックにならないかというと、その作業になれた者ほど、チェック漏れが起こる可能性がある。問題がないことを記載するなら、「OK」や「Yes」ばかりの回答となる。同じ回答が繰り返されれば、不十分な確認になりやすい。よく言われる「同上、同左、〃、々」等の繰り返し言葉の禁止と同じ理由である。
チェックの順番を自然な流れと逆の順番に行い、チェック漏れを減らすことを行っていたところもある。例えば、「123456789」の数字のチェックを行う場合、左からチェックをするのではなく、右端の「9」から一桁ずつチェックをし、最後の「1」まで、遡るように行う方法である。見にくく感じるが、それがチェックの効果を増すことになるそうだ。しかし、その方法に慣れてしまうと、惰性チェックになる恐れがある。空欄処理も大事な点である。チェック漏れなのか、該当なしなのかを明確にすることで、チェック漏れを防ぐことになる。
医薬品製造所において、チェックをする項目は非常に多い。それを記録することも必要である。「チェックした」と主張しても、実際の記録がなければ、チェックしたと査察官や監査員は納得しない。現場の責任者等も記録の承認をしてくれないだろう。しかし、記録があれば、もし、実際の行動がなくても、行ったとしてみなしてくれるであろう。たとえば、原料等の受け入れの際、指図書に記載されたロット番号と相違がないかをチェックしなければならないが、その原料のラベルに記載されているロット番号と指図書に書かれたロット番号が一致していることチェックし忘れて、指図記録書に確認したチェックを記入すれば、データねつ造になる。この場合、ダブルチェック等で、すぐに気が付けば、訂正や修正ができる。もし、その場で気づくことなく、作業を終了してから、記録を記載するならば、完全なデータねつ造と言える。だからこそ、データインテグリティの同時性Contemporaneousとして、記録は作業した時点で記載することが求められる。
記録を作成する上で、その記録に嘘があってはならない。嘘と言っても、故意によるデータ改ざんだけでなく、過失による間違いも嘘となってしまう。その嘘がないことを証明するためにも、データインテグリティの確保が重要である。1つのチェック漏れにより、その記録の信頼を失うことになり、その他の多くの記録にまで及び、その製造所、企業の品質システムをも疑われることになる。チェック一つ一つまで考えなければならない。
GMPは、重要項目について、ダブルチェックすることを求めている。☑のようなレ点チェックでは不十分であると、「OK & NG」や「Yes & No」を使用する施設も多い。☑のようなレ点チェックは、質問事項を十分に読み込まずに記載することが起こりえる。内容を十分に理解せず、確認したと思いこむことが起こる。その作業が定例的な作業であれば、いつもと異なる点がないか確認が不十分になる。早押しクイズではないので、問題文はきちんと読み込む必要がある。日常生活においても、外出する際、家の鍵をかけたか、火の元を確認したかなど、後から不安になることがあるだろう。定例な作業ほど、記憶に残らず、チェックが不十分となる。私は、県庁勤務のころ、度々、献血をしていたが、その際、問診票に記載をしなければならないが、つい設問をきちんと読まずに、チェックを入れていた。惰性でのチェックは避けなければならない。
「OK & NG」「Yes & No」では、惰性のチェックにならないかというと、その作業になれた者ほど、チェック漏れが起こる可能性がある。問題がないことを記載するなら、「OK」や「Yes」ばかりの回答となる。同じ回答が繰り返されれば、不十分な確認になりやすい。よく言われる「同上、同左、〃、々」等の繰り返し言葉の禁止と同じ理由である。
チェックの順番を自然な流れと逆の順番に行い、チェック漏れを減らすことを行っていたところもある。例えば、「123456789」の数字のチェックを行う場合、左からチェックをするのではなく、右端の「9」から一桁ずつチェックをし、最後の「1」まで、遡るように行う方法である。見にくく感じるが、それがチェックの効果を増すことになるそうだ。しかし、その方法に慣れてしまうと、惰性チェックになる恐れがある。空欄処理も大事な点である。チェック漏れなのか、該当なしなのかを明確にすることで、チェック漏れを防ぐことになる。
医薬品製造所において、チェックをする項目は非常に多い。それを記録することも必要である。「チェックした」と主張しても、実際の記録がなければ、チェックしたと査察官や監査員は納得しない。現場の責任者等も記録の承認をしてくれないだろう。しかし、記録があれば、もし、実際の行動がなくても、行ったとしてみなしてくれるであろう。たとえば、原料等の受け入れの際、指図書に記載されたロット番号と相違がないかをチェックしなければならないが、その原料のラベルに記載されているロット番号と指図書に書かれたロット番号が一致していることチェックし忘れて、指図記録書に確認したチェックを記入すれば、データねつ造になる。この場合、ダブルチェック等で、すぐに気が付けば、訂正や修正ができる。もし、その場で気づくことなく、作業を終了してから、記録を記載するならば、完全なデータねつ造と言える。だからこそ、データインテグリティの同時性Contemporaneousとして、記録は作業した時点で記載することが求められる。
記録を作成する上で、その記録に嘘があってはならない。嘘と言っても、故意によるデータ改ざんだけでなく、過失による間違いも嘘となってしまう。その嘘がないことを証明するためにも、データインテグリティの確保が重要である。1つのチェック漏れにより、その記録の信頼を失うことになり、その他の多くの記録にまで及び、その製造所、企業の品質システムをも疑われることになる。チェック一つ一つまで考えなければならない。
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